お位牌
数日前だったか、災害時に家を離れなくてはならないとき、まっ先に持ち出すもの、というアンケートの答えが、たしか1位財布、2位携帯電話だったように覚えている。あるいは違っているかも知れないが、若い人は圧倒的に携帯電話だそうだ。
昔の常識、何をおいてもまず「ご先祖様の位牌」などどこへ消えたものやら、ランクにも上がってこなかったに違いない。戦時中なら鍋、釜だ。ヘルメットの代わりにもなる。防毒マスクが配給になったが世帯に1個ぐらいでは役に立たないから持ち出しても仕方がない。
位牌は江戸時代以来だろう。先祖崇拝は東洋共通の文化だ。現代、どこまで残っているものやら。崇拝するなら「お金」ではあまりにも情けない。先祖を崇拝しなくても、自らのルーツに関心がないようでは困る。
江戸時代なら系図だ。特に武家にとってはこれが命。崇拝しなくてもこれがなくては身分を保てなかった。平民の身分は、お寺の檀家として把握されていなくてはならない。それがないと関所を通過する際のビザがもらえない。過去帳、位牌はそれを支えるかけがえのない物的証拠だ。
政治家も世襲が軽んじられる世の中になった。家族制度は戦後大幅に改変された。これからも、人権優先で戸籍法・民法などが変わっていく可能性が高い。しかし、先祖に対する関心やうやまいの心が失われるとなると問題だ。
オバマがアフリカの先祖の地を訪問し、幼時のイスラムとの接点を語ったりして世界に親近感を持たれた。また、岡田外相候補の母方の先祖の家に、中国開放の父孫文が宿をとったなどということが、親中国のあかしとして期待されたり、ご先祖様が今も立派に活躍することはすくなくない。
まあ、金輪際大統領や外務大臣になることはないけどね……(^^)。
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コメント
東アジアの先祖崇拝は、やっぱり儒教の影響でしょう。
日本の世襲政治家もそうですし、北朝鮮の政権もアメリカ政府の見方では共産主義ではなく特殊な儒教(宗教)カルト国家との分析らしい。
日本で長く続いた年功序列型賃金も儒教精神からでしょうが、諸外国では『同じ仕事をしていて年長者が高いのは不公平』と日本企業がいくら説明しても現地の労働者は理解出来ない。
日本の仏教は其の他の仏教国から見ると理解に苦しむところが有るらしいですよ。
例えば石原裕次郎の二十何回忌なんかは理解の外。
仏教的には何十年も成仏できないとは『余程の悪人だったのでしょうか?』49日経てば輪廻転生しているのでそれ以上の供養は不必要で有るばかりか故人を冒涜しているらしいのですよ。
墓とか位牌とかは日本では仏教が扱っているが本来は儒教関連かそれとも日本古来の神道に関係が有るのかもしれません。
系図も儒教関連でしょう。孫文と岡田氏の先祖との関連に関心が集まるのも儒教的な発想です。
日本では余り有名で無い宮崎滔天の事を今でも歴史的な偉人として中国では記憶されているとか、日本の事情とは(似ているようで)異なることは多いようです。
投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月 8日 (火) 14時44分
同じエリアで「漢字文化圏」というのもありますね。それぞれを見ると民族の違いははっきりしているのですが。
日本、中国、朝鮮それにベトナムも入ります。儒教も仏教もこの漢字を媒介として各国が移入したわけですね。
朝鮮はハングル専用にしたため、自分の名前も由来があやふや、先祖が残した歴史や文学も特定の人しか読めない。ボクは『李朝実録』を東大資料館で閲覧、調べものをしたことがありますが、今の韓国人にはそれができない。
漢字復活が議論されているそうですがどうなりますやら。
投稿: ましま | 2009年9月 8日 (火) 15時37分