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2009年9月 2日 (水)

鳩山首相はチャーチルになれるか

 前々回の記事《安保政策で「チェンジ」を》で、新政権への期待を述べた。その中で鳩山代表の「友愛」精神と東アジア共同体構想が、オーストリアのクーデンホーフ・カレルギー伯爵の著書に根ざすものであることを書いた。

 戦時中の「われら日本の小国民」のにっくき敵の首魁は、新聞の政治マンガで表現された米・ルーズベルト、英・チャーチル、中・蒋介石だった。そのチャーチルが現役引退後、カレルギー伯の「欧州統合」の理念を受け継いで、チューリッヒ大学で次のような演説をしている。

 われわれが生きているこの時代に、平和を破壊し、人類の全ての未来に暗影を投じることになったあの恐るべき「民族の戦い」を二度も戦ったのは、この欧州においてであった。だが、欧州がこの不幸を癒すひとつの薬を用いるなら局面は一変し、欧州を短時間で今日のスイスのように、自由にして幸せな知に変容せしめ得る、そんな薬が存在する。

 その特効薬とは何か?それは欧州の家族を平和にかつ安全に生活させることができるように、再編成することである。つまり、一種の「欧州合衆国」を建設することである。その欧州一家復活の第一歩は、フランスとドイツの統合でなくてはならない。(小屋修一『欧州連合論』より)

 これが大きな波紋を呼び、欧州各国で「パン・ヨーロッパ運動」が息を吹き返した。そして、議員連盟、期成同盟といった19カ国およそ1000人のNGOが結集し、いわゆる「ハーグ決議」として「統合の系譜」に筋道を作ったのである。

 なお、新聞で鳩山氏の論文が「反米的」などとして、一部海外マスコミで反発を受けているという。これについて、鳩山氏は「全文をよく読んでもらえばわかるはず」と言っているが、「飯大蔵」さまのブログではこれを詳しく分析している。

 また、『Voice』9月号に掲載された原文「私の政治哲学」(日本語・英語)も同氏のHPで見ることができるので、ぜひご一読願いたい。私は、同氏の国連依存の改憲案など賛成しかねる点も多いが、このような政治家が国政の舵をとる限り、小泉・安倍・麻生といった戦争隣り合わせ路線にはならないと信じている。

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コメント

政治的な意味合いでは『鳩山はチャーチルになれるか』では無く、
民主党マニュフェストの児童手当や高校無料化、郵政民営化見直しなら『鳩山はアトリーになれるか』だと思います。
海外の報道では、鳩山民主党は中道左派でアジアの近隣諸国と緊密にやりそうだ、と思われている。
対して今までの安倍晋三や麻生太郎は未だに東西冷戦構造思考から向け切れないので、元祖東西聖戦の産みの親的なチャーチルに近いのではありませんか。?
チャーチルの欧州とは全欧州ではなく近隣だけの話でドイツフランスと組んで、東欧に対しては徹底的な封じ込め政策(冷戦)で力で対抗(敵対)しようとした。
この政策は韓国と組んで北朝鮮や中国と対抗(敵対)しようとした安倍麻生の考えと同じだと思います

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月 2日 (水) 15時50分

鉄のカーテンやスターリンや反共シフトとは別の次元の話です。鳩山も反共から抜け出た新しい時代での新解釈を見いだそうとしています。

投稿: ましま | 2009年9月 2日 (水) 16時02分

はじめまして、七生です。(*'-'*)
参考になれば、幸いです。
 
『原爆は何故落とされたのか』
日本人よ、何故 "Yes, we can." と言えるのだ!?

「原爆投下が終戦を早めた」という説は、
アメリカが原爆投下を正当化する為に、
今も言い張っているウソ話である。
「日本を降伏させるのに原爆投下は必要なかった」
という事実は、とっくに証明されているのだ。
それこそTBSの特番、
『"ヒロシマ"あの時、原爆投下は止められた』
でもやっていたほどの常識だ。
※(某キャスター氏のコメントは人間理解の浅薄さを証明する情けないものだったが。)
http://matodoga.blog24.fc2.com/blog-entry-195.html

「天皇の地位保全」の条項さえ出せば、
原爆を投下せずとも日本は降伏すると
米国務次官・グルーは何度も主張した。
しかし大統領トルーマンは、
ポツダム宣言の草案から
「天皇の地位保全」を認める条項を
あえて削除した。
トルーマンは原爆を投下するまで
日本を降伏させたくなかったのだ!

○莫大な費用をかけて作った原爆を、
 議会対策の為にも使わなければならなかった。
○ウラン濃縮型と、
 ルトニウム型の2種類の原爆を、
 黄色いサルの住む都市で実験使用して、
 その効果を確かめる必要があった。
○戦後の世界秩序を巡って、
 ソ連のスターリンに
 脅しをかけておく必要があった。

原爆投下は終戦を早める為に
実行されたのではない!
ルーズベルトの急死で、
たまたま大統領になってしまい、
「つぶれた田舎の雑貨屋のおやじ」と言われて
全米国民の溜息を浴びていた
ハリー・トルーマンは、
自分の強さを誇示する為に、
何が何でも虫けら同然の日本人の上に
原爆を落としたかったのだ。
トルーマンは原爆を2個落とし、
目的を達成したら、グルーの案に戻り、
「天皇の地位保全」を日本に伝えた。
結局はトルーマンの計画通りに進んだのだ。
グルーの努力は実を結ばなかった!

『原爆を投下するまで日本を降伏させるな』
(草思社)の著者、鳥居氏によれば、
ルーズベルトは、日本との戦争が長引けば
中国が内戦になる可能性が高まると考え、
ドイツを降伏させたあと、
一日も早く日本を降伏させるために、
グルーを起用した。
ルーズベルトは「天皇の地位保全」を主張する
グルーに希望を託したのだ。
ところがルーズベルトの急死、
トルーマンの大統領就任によって、
グルーの対日政策は無視される。
日本を降伏させるわけにはいかなかったからだ!
原爆を落とすために!
 
日本が主体の正しい歴史を知るには
小林よしのり『戦争論』全3巻がおすすめです。

投稿: 七生 | 2009年9月 2日 (水) 19時44分

七生さん ようこそ

 コメントいただいたようなことは、「一言説」として知っています。歴史で大事なのは、原爆が落とされた、日本が降伏した、という事実だけです。
 その経緯が「一言説」の通りだったとしても事実が覆るわけではありません。事実の重みより「一言説」を前に置くことで、歴史の大きな流れ(本質)を見誤ったりねじまげたりすることには、よほど注意しなければなりません。

投稿: ましま | 2009年9月 2日 (水) 20時41分

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