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2009年9月29日 (火)

幻と化す政界再編

 自民党総裁選の結果が出た。
          議員票   党員票   計
谷垣禎一 120(61%)180(60%)300(60%)
河野太郎  35(18%)109(36%)144(29%)
西村康稔    43 (22%)  11(4%) 54(11%)

 また、新総裁は党内人事で幹事長に大島理森・前国会対策委員長(63・高村派)、政調会長に石破茂・前農相(62・額賀派)、総務会長には田野瀬良太郎・元財務副大臣(65・山崎派)を起用する。長年中枢を支配した町村派(旧・森派)は3役から排除、与党の閣僚起用に対応した谷垣氏らしい重厚な布陣となった。

 総選挙で民主党の圧倒的な優勢が伝えられる前、自・民の過半数割れがあれば、政界再編が避けられない、というのが大方の見方だった。また両党の内部の不一致から、むしろそうあってしかるべき、という肯定的な意見もすくなくなかった。

 しかし、もう半年前に考えたような政界再編は当分はないだろう。選挙前に反麻生で脱党も辞さない勢いを示した勢力もすっかり声をひそめ、渡辺みんなの党というヌエ的存在の小会派が残っただけである。大勝した民主党側には当面分裂する要素が見あたらない。

 そこで、上記の自民党総裁選の結果の中から将来をうかがえるものがあるかどうかを考えた。平沢勝栄代議士は「10月の参院補欠選挙、そして来年の参院選で負ければ、党は分裂、永久野党の始まりになってしまう」(サンデー毎日10/11)と言っている。

 まず、谷垣氏の得票は、議員・党員いずれも60~61%と揃っている。河野・西村両氏には、圧倒的な差をつけて勝利したことになる。これは、国民が望んでいる自民党の立ち直った姿を、健全、穏健な保守本流にあると見たためではないか。

 政治家を色わけして見たくはないが、河野氏は年代交替と新自由主義を強調していたようだし、西村氏は、経歴だけでなくその信条も安倍元総理と極めて近い存在のようだ。極端にいうと、中道右派対「ネオリベ」、「ネオコン」の戦いに擬することもできる。

 河野氏はその主張が明白で、過激とさえいわれ、あいまいさを政界遊泳のこつと考える同僚議員の支持が得られなかった。したがって、18%35人の支持票は、掛け値なしの同志を結集したと見ていい。しかし、谷垣総裁の采配で野党としての政策に河野氏の意見のいくらかが取り入れられれば、彼の潔癖な姿勢から背反・脱党という事態は起きないだろう。

 問題は西村氏だ。43人22%は、語られているように派閥の長あたりから出た締め付けがあったとすれば、党員票の出方からみても相当割り引いて見なければならない。党を割ってでも同志として行動を共にするという議員は、党員票11%との差の中間あたりとしても30人に達しないのではないか。

 これに、右派無所属・平沼赳夫氏らや民主の極右議員を加えてもかつての公明党の勢力には及ばない。しかし、共産党同様、純粋野党として存在感を示すというのであれば、それはそれで立派な選択かも知れない。いずれにしても政界再編は、すこし先の遠い話になってしまった。

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