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2009年9月 3日 (木)

オバマに提案して下さい

 最初に、やや古いが「毎日jp」からやや古い(8/13)引用をしましょう。

【ワシントン草野和彦】米国人記者釈放交渉のため、クリントン元米大統領の北朝鮮訪問に同行したポデスタ元大統領首席補佐官は12日、ワシントン市内で「我々は金正日(キムジョンイル)総書記に朝鮮半島非核化の約束を守る必要性を強く促した」と記者団に語った。訪朝メンバーが、金総書記との会談で非核化を迫ったことを明らかにしたのは初めて。

 ポデスタ氏は、3時間以上に及ぶ元大統領と金総書記との会談について「興味深い議論をした」と表現。ただ、オバマ政権への訪朝結果の報告は現在も続いているとし、「(報告を)どう受け止めるかは現政権次第だ」と述べ、今後の米朝関係への見通しに関する言及は避けた。

 これを読んだあなたは、「ああ、また北朝鮮の核廃棄をアメリカが迫っているのだ」と思いませんでしたか。よく見てください。「北朝鮮」の「核廃棄」ではなく、「朝鮮半島」の「非核化」なんです。日本のマスコミは、この違いをこれまであまり言っていません。ついでにやや長くなりますが、次の外国のニュースも見て下さい。

 【8月15日 AFP】韓国の李明博(イ・ミョンバク、Lee Myung-Bak)大統領は15日、1945年に日本の植民地支配から解放されたことを祝う記念式典の演説で、北朝鮮に対し、南北間の非核化と通常兵器の削減に向けた交渉に応じるよう呼びかけた。

 李大統領は「朝鮮半島の非核化、南北両国の通常兵器の削減について論議する必要がある」と述べ、両国が武器を削減し軍隊を縮小すれば、軍事費を大幅に削減でき、その分経済発展のために投資できると訴えた。

 さらに韓国政府は対話を再開する用意があることを強調し、「あらゆる問題に関しいつでもあらゆるレベルで協力する」と語った。また、北朝鮮が非核化を決断するなら、韓国政府は朝鮮半島の和平に向けた新しい計画を推進し、北朝鮮の壊滅的な経済状態を回復させて生活水準を向上させる手助けをする国際的計画を実行に移す構えであることを表明した。(AFPBBNEWSより)

 アメリカのフィリップ・ゴールドバーグ対北制裁調整官は東京で25日、日本外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長と会談し、朝鮮核問題に関する国連決議について討議した。
 ゴールドバーグ対北制裁調整官は、朝鮮半島の非核化実現の重要性を強調した。
 ゴールドバーグ対北制裁調整官は「アメリカは、6ヵ国協議でのみ朝鮮と話し合う。二ヵ国会談は行わない」と述べた。(「中国国際放送局 日本語部」 2009年8月25日)

 ロシアのアナトリー・セルジュコフ国防相が21日、ロシア訪問中の韓国の李相喜(イ・サンヒ)国防相と会談した。双方は、朝鮮半島の非核化の促進を支持すると示した。

 セルジュコフ国防相は会談後、「両国は、朝鮮核問題における考えが近い。朝鮮は非核化を実行し、再び6カ国協議に戻るべきだ。これは朝鮮問題を解決する唯一の道だ」と述べた。これに対して、李相喜国防相は賛同の意を表し、さらに「朝鮮の核計画と関連活動は、地域の平和と安全に脅威を与えた」と述べた。(「中国国際放送局 日本語版」2009年7月22日)

 外交部の秦剛報道官は23日の定例会見で「中国は、対話を堅持し、6カ国協議を堅持することが、朝鮮半島の非核化を実現する最良の道だと考える」と表明した。秦報道官は、朝鮮半島の非核化について「具体的な問題について他の各国と緊密な意思疎通や協調を継続したい」と述べた。(以下略・「人民網日本語版」2009年6月24日)

 そもそも「朝鮮半島非核化」は1991年12月31日、韓国と北朝鮮が次の内容で合意し共同宣言を発表したものです。

 南と北は朝鮮半島を非核化することで核戦争の危機を除去し、わが国の平和と平和統一に有利な条件と環境をつくり、アジアと世界の平和と安定に貢献するために、次のように宣言する。

 南と北は核兵器の実験・製造・生産・搬入・保有・貯蔵・配備・使用をしない。
 南と北は核エネルギーを平和的目的にだけ使用する。
 南と北は核再処理施設とウラン濃縮施設を保有しない。
(以下略)

 これが、北朝鮮・アメリカの相互不信の高まりから北が核実験を行い、ホゴになったものてす。もともと北は朝鮮半島の非核化は、金正日の父・金日成の遺言とも言われ、北の安全が名誉ある方法で保証されれば核兵器放棄も不可能ではないと考えられるのです。

 そこで浮かび上がるのが、前に記事にした“鳩山代表の「本気度」”です。そこに、日本も参加して「東アジア非核兵器地帯宣言」に格上げするのです。上の6カ国協議参加国のうち、核保有国の米・ロ・中も半島の非核化に賛成で、日本の参加に反対する理由はありません。

 これまで日本は「核の傘」を言い続けました。そして非核3原則も密約などもあって不透明でした。しかし、民主党は「東アジア共同体」をマニフェストにまで入れました。核保有3カ国も、ここに非核地帯ができれば、核攻撃の対象にしないという保証をすればいいのです。

 そして、北も核を放棄する名分が立つはずです(経済的見返りは要求するでしょうが……)。これを鳩山首相はオバマ大統領に提案して欲しいのです。ただし、日米双方とも議会筋などに反対勢力があり一筋縄ではいかないでしょう。

 また、こういった外交折衝は、極秘の根回しから始めなくてはなりません。願わくば、金正日もオバマも胡錦濤も、このブログを目にしないように祈るばかりです(呵々大笑)。

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コメント

素晴らしい慧眼です。
この、『クリントン元大統領訪朝』の意味を日本ではなるべく小さく解釈したい麻生政権やマスコミの思惑で小さく報道していたので、
>「北朝鮮」の「核廃棄」ではなく、「朝鮮半島」の「非核化<
の、『違いの大事さ』に気がついた人は護憲派ブログ界でも極少数です。
アメリカはオバマ以前のブッシュジュニアの時代から、過去の負の遺産で今では政治的な意味を失ってしる最期の冷戦構造である朝鮮戦争を終結したいと何年も前から思っていた。
(もちろん冷戦構造から利益を得ていた勢力は今での多く、戦争終結に反対している)
朝鮮戦争(冷戦)の最期の清算の為にアメリカはオバマを選び、選挙で勝ったバラク・オバマは核(核の傘)廃絶の歴史的プラハ演説を行ったのでしょう。
朝鮮戦争の総決算で有るなら、非核化は朝鮮戦争の最前線で有った日本を含むものでないと意味をなさないので、自動的に日本列島と朝鮮半島の非核化に向かいます。
(アメリカの核の傘の解消)
それに最も反対していたのが日本の麻生太郎自民党政権と日本のマスコミです。


最近日本のマスコミがアメリカのワシントンポストなどの有力紙が鳩山論文を解説している事で、『鳩山の反米姿勢』なるものをアメリカが懸念しているかのような報道が為されているが、これは可也眉唾物。
鳩山論文は長文で、いわゆる「反米姿勢」なるものも長い文章の中の単語の抜書きに近い話で、鳩山が反米姿勢で有るわけは無く、解説した米紙も負けずに長文で日本のマスコミ報道は『短い文章や単語の抜書き』に近い、為にする報道姿勢で、事実からは程遠い。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月 3日 (木) 14時26分

 逝きし世の面影さんからお褒めいただくなんて、飛び上がってしまいます(^o^)。

 ワシントンポストの論評、あまりにも単純な「作為」が感じられますね。底が割れいてたんでしょう、オバマをはじめ誰も問題視していないようです。

 この程度のことで日米関係にヒビが入るようでは、自民外交もいいかげんだったという証拠になります。やはりポチ程度にしか考えられていなかったのでしょう。

投稿: ましま | 2009年9月 3日 (木) 18時06分

民主党のマニュフェストに『北東アジアの非核化』とありますが、これは今までの自民党政府やマスコミの『北朝鮮の非核化』では無く、今回の記事に有るアメリカ政府の『朝鮮半島の非核化』政策と対応するものだと思います。
そして日本(麻生太郎)側の『北朝鮮の非核化』は北朝鮮が絶対に飲まないが、実は『朝鮮半島の非核化』の主張自体は金日成の古くからの主張なので、今回民主党大勝利で、日本も米も北朝鮮も全ての主張が一致していて、非核化問題は『どんな道筋で実行するか』の非核化の順番のような技術面が残っているだけです。
ヒロシマから半世紀以上たってやっと世界の考え方(世論)が、日本の護憲派が長年主張してきた考え方に近づきました、これで非核化は本当に実現するかも知れません。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月 4日 (金) 13時51分

 素人でも思いつくこと、鳩山さんが考えていないとは思えません。ただ一人思っているだけでは実現不可能です。

 この際、山崎拓であろうと鈴木宗男であろうと有名無名の外交人脈を使いこなせるかどうかですね。

 そうすれば、お爺さんを越えてアメリカをはじめ世界の傑出した政治家として一躍評価が高まるでしょう。ブルーリボンバッジなどとは比較にならない国民的人気も高まります。

投稿: ましま | 2009年9月 4日 (金) 18時06分

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