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2009年9月 1日 (火)

敗戦日記

 前回のエントリーで選挙結果による政権交代のことを書いた。大げさにいえば、民意による政権転覆である。その大変化を日本の終戦になぞらえてみた。

 「庶民の暮らし、日々の営みが終戦の詔勅を境に突然変わったわけではない。アメリカ敵視や戦時体制は半月ほどくすぶり続け……」

 と書いたが、その「半月ほど」あとのできごとが、東京湾に来航していた米艦ミズリー号上で行われた1945年9月3日の降伏文書調印式である。日本側全権は重光葵外相である。当時TVなどないから、あとでニュース映画で見たのだろう。

 朝鮮独立を主張する犯人の爆弾テロで右足を切断した重光が、杖を頼りに舷側から甲板に上がる痛々しい光景が目に浮かぶ。終戦記念日には多くの記念行事があるが、この日が法的に日本が負けた日なのだ。当時の日本人にとって、8月15日とは違ったインパクトを受けた日だった。作家・高見順の日記は、これについての記述をただ1行だけしるしている。

 九月三日
 降伏調印式の写真を新聞で見る。

 ついでに、その前一日、二日に見聞した世相を引用しておこう。ただし、両日の日記にある出版社・鎌倉文庫の創立打ち合わせに関する部分は省略した。(『敗戦日記』文藝春秋新社より)

 九月一日
 在郷軍人会が解散になった。虎の威をかりて「暴力」をふるっていたあの分会……。
 しかし日本人がすっかり懦弱になった時は、今日の感想とはまた別のものが胸にくるだろう。

 九月二日
 横浜に米兵の強姦事件があったという噂。
「負けたんだ。殺されないだけましだ」
「日本兵が支那でやったことを考えれば……」
 こういう日本人の考え方は、ここに書き記しておく「価値」がある。
 

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