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2009年9月 9日 (水)

EUとNATOの違い

 東アジア共同体は、これまで福田元首相が言及したり新聞社説に取り上げられたりしたことはあるが、民主党の選挙マニフェストに掲載されてから急に注目され始めた。世界で最も先進的に機能しているのはEUで、主にその経済的な一面が日本でも認識されつつある。

 EUとは何ぞや、ということになると、その実態、仕組みは非常複雑でわかりにくく、ヨーロッパ人でさえ一般の人はそれをうまく説明することができないだろう。したがって、EUの憲法を作るなどという提案は、国民投票で否決されることが多い。

 このブログ(反戦塾)では、地域の究極的な平和・発展を追求するにはEUをモデルにした共同体を目指すのが最善であるとして、カテゴリーを設け勉強していきたいと思っているが、複雑・膨大でなかなか思うにまかせない。

 したがって、系統的に取り上げることはあきらめ、ブログの特徴を生かして思いつくまま断片的に取り上げていくことにした。手始めに、膨張し続けてきたEU加盟国と、日本の安保条約に相当する軍事同盟、NATO加盟国の関係を取り上げる。

   |■EUだけに加盟している国
   | アイルランド オーストリア スエーデン 
   E フィンランド キプロス マルタ
| U■EUとNATOの双方に加盟している国
N  27 フランス ドイツ イギリス イタリア 
A  カ オランダ ルクセンブルク デンマーク 
T  国 ハンガリー エストニア ラトビア ベルギー
O  | ポルトガル チェコ ギリシア スペイン 
28 | ボーランド スロバキア リトアニア
カ  | ブルガリア スロベニア ルーマニア
国  ■NATOだけに加盟している国
|  アメリカ カナダ トルコ ノルウェー 
|  アイスランド クロアチア アルバニア

 NATOはもともと、冷戦時のソ連を意識して結成されたもので、軍事力の突出したアメリカ軍が主導する態様は日米安保条約と共通している。しかし、NATO軍としての統一軍事行動はとれるものの、参加のしかたについては、それぞれの国の主権が尊重されるため2国間条約である日米同盟とは様相を異にする。

 イラク戦争には、イギリス、イタリアが参加しているが、フランス、ドイツなどNATOとしての参加はなく、アフガンでは国際治安支援部隊(ISAF)に参加しているが、最近はドイツ、フランスなど国内に撤退論が出てきている。

 NATOとEUは冷戦時、防衛と経済という役割分担がはっきりしていた。その後EUに軍事機関として西欧同盟(WEU)が検討課題となり、ユーゴ紛争の頃(98年)からアメリカ抜きの欧州防衛機能構築が具体化した。

 さらにアメリカ発の世界同時不況か追い打ちをかけ、アメリカ人の自尊心の高さにもかかわらいず、「テロとの戦い」が行方を失うことで、一極支配後退は避けられない現実となるだろう。
 

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コメント

軍事同盟とは必ず仮想敵国を想定して結ばれるもので、その意味で参加国が多数か複数かの違いだけでNATOと日米安保はソ連の東西で相似形になっている。
特に圧倒的なアメリカ軍の存在の結果、それ以外の日本や欧州の同盟国軍の意味が薄れるが、どちらも対ソ戦(大三次世界大戦)用の軍事同盟なので、冷戦崩壊で本来の意味を失っている。
この時点で破棄すべき性質のものだったのですが,何事も長年続いてきたものは利権が必ず生まれます。
無駄に大きく金を食う日本の公共事業と同じで無駄と判っていても誰も止められない。
何とかNATOを存続させようと無理をしたのが99年の不思議なユーゴ(セルビア)空爆でしょう。
イギリスのブレア首相やアメリカのクリントン政権が、このまま放置すればコゾボで数十万人が殺されると大宣伝して始めたが完全なデマ宣伝でブッシュのイラク戦争とまったく同じだが、空爆だけだったのでNATOとしては損害は無かったが、地上軍を派遣したアフガンは今後NATO軍の墓場になるでしょう。

日本の小泉政権が考え付いた安保の延命策は『北朝鮮の脅威』の大宣伝ですが、如何せん敵役の役者(北朝鮮)がソ連ほどの実力が無さ過ぎて話にならない。
(拉致問題解決には北朝鮮の謝罪は本来必要ではなく、森総理時代は第三国で偶然見つかり全員無事帰国する筋書き北朝鮮と合意済みだった)
特にたよりの同盟国アメリカが核軍縮や朝鮮戦争の完全終結を模索しているようでは世界の流れに逆らった日本の思惑(対ソ連用軍事同盟の強化)は通らないでしょう。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月10日 (木) 17時14分

>如何せん敵役の役者(北朝鮮)がソ連ほどの実力が無さ過ぎて話にならない

そこで考えついたのがテポドン破壊命令ではないですか。
MD計画で宇宙空間を飛んでいるミサイルを打ち落とす技術開発には際限ない費用がかかる。その片棒をかつがせ、アメリカ軍需産業の新需要を確保するというのは、掛け値なしの事実でしょう。

日米同盟は米軍事費軽減同盟であることに、相当多くの人が気づいていますが、それを正面から指摘、是正を計ろうとする気運にないことが残念です。

投稿: ましま | 2009年9月10日 (木) 18時27分

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国際宇宙ステーションから撮影された中間圏界面(高度80km程度)の夜行雲 『夜光雲』 通常の雲は地上10km以内の濃い大気の有る対流圏内に出来るが、夜光雲は大気が殆んど存在しない地上約7585kmの中間圏界面付近にできる。 高度の高い位置に発生するため、太陽が地平線付近にあるとき下から日が当たり、青白く輝いて見える。 極まれに高度15〜30kmの成層圏にできる真珠母雲(極成層雲)とは、できる高さも色も異なる。 『宇宙の天気』 地球を取り巻く宇宙空間は、秒速数百k... [続きを読む]

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