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2009年8月27日 (木)

独裁政権にならないか

 民主党のマニフェストの政権構想に、5原則、5策というのがあり、それぞれの項目と説明が掲げられていた。政治主導型の政府組織構想である。公約実現に向けてはりきっているな、という印象しか持たなかったが、このほどその詳細が明らかになった。毎日新聞(8/27)によると、その中核となる「国家戦略局」は次のようなものである。

① 初閣議で任意の首相直属組織とする。
② トップの議長には専任の閣僚を充て、重要閣僚の上の「副総理格」で検討。議長は党の政調会長を兼務する方向。
③ 構成メンバー 国会議員、民間の有識者、各政策を担当する官僚、計30人。
④ 経済財政諮問会議を含めた各種政策に関する首相の諮問機関(教育再生懇談会、安全保障と防衛力に関する懇談会など)は休眠、廃止も検討する。

 長年自民党が築き上げてきた政・官癒着の悪弊を打破するため、強力な行政組織を作ろうという意気込みはわかる。同日付けの読売新聞では、構成メンバーを首相秘書官に登用するとか、100人の国会議員を政府に投入するとも言われている。

 「国家戦略」という大げさな表現は何なんだろう。憲法は、国権の最高機関が国会であることを定めている。つまり、国民が選んだ国会議員にゆだねられている。それを、行政府の首相が任命権を持ち、その配下におく組織で、国運を左右する「国家戦略」が(おそらく)非公開で検討されるというのは、三権分立の精神をゆがめることにならないか。

 しかも選挙で圧勝し、絶対的な権勢を振るえそうな党の政策決定にもあずかるというのである。これでは、強力な行政機構というより、独裁政治の温床にもなりかねない。あまり強大すぎて首相のコントロールが利かなければ、今度は責任の所在をあいまいにする。

 行政機構が強力になり過ぎるという現象は、本来の民主主義と相容れない。ぶれたり、どじを踏んだり、後戻りしてみたり、それでも破滅には向かわない、それが民主主義のいいところであることも忘れないでほしい。

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