« 集団的自衛権 | トップページ | 中国は脅威か »

2009年8月22日 (土)

仮想敵国

 どこの国でも、軍事組織(自衛隊を含め)を持てば、仮想敵国を設けいろいろ研究をしたり図上作戦を立てたりします。戦前の日本も、アメリカはすでに昭和の初めに仮想敵国になっていました。このこと自体はある意味で当然なことで、一概に非難できません。

 しかし、これを根拠として装備や兵員に膨大な予算を要求したり、それを実現させるために危機感をあおり敵愾心を高めたりすればどうなるでしょう。そして、「せっかく手にした新兵器は、どうしても実戦で試してみたくなる」という軍人の気持ちがあることも、元軍人が告白しています。

 それを押さえ込むためには、憲法66条にある「内閣総理大臣その他の国務大臣は、文民でなければならない」というシビリアン・コントロールが徹底していなければなりません。「文民」とは、何を指すのでしょう。

 民意を受けたもの、という解釈が普通のようですが、私は素朴に、軍服などユニフォームを着て特殊な公権力、暴力装置を持ったことのない人を想定します。それでも過激な思想を持った制服組とあまり変わらない総理大臣がでる危険性がありますから、国民はよほど選挙を通じてきっぱりした意思を示すべきです。

 さて、話が仮想敵国から遠くなりましたが、現在最大の仮想敵国は北朝鮮で、中国がそれに次ぎます。北朝鮮が長距離ミサイルを発射し、2回目の核実験を強行、その裏に金総書記の健康悪化説が流れた時、「これは悪い方に向くな」と感じました。

 それは、金総書記の権力が維持されている限り、日本で喧伝されるような危機はあり得ないと思っていました。もし危機があるとすれば、金総書記の威令がおこなわれず、内乱で思慮のないものによる暴発のおそれが生ずることです。

 しかし、このところ健康に自信をとりもどしたようで、様子が180度変わってきてました。このこと一つをとってみても「悪の枢軸」「ならずもの国家」「テロ支援国」などといわれるほど強力な敵国ではなさそうです。

 仮想敵国として、研究にはげんでいる軍事専門家も、その辺りのことはよく承知していると思います。ただ、予算がほしいことには変わりありません。それならば、アメリカ向けミサイルの撃墜など非現実的なものではなく、日本が射程内にあるノドン対策を考えた方がいいと思います。

 中国のことを書く余裕がなくなりましたが、改めてアメリカの世界戦略を問い直し、東アジア政策についても新しい情勢分析を加え、あるべき仮想敵国の姿を描いてほしいものです。

|

« 集団的自衛権 | トップページ | 中国は脅威か »

反戦・軍縮」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/31056342

この記事へのトラックバック一覧です: 仮想敵国:

« 集団的自衛権 | トップページ | 中国は脅威か »