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2009年8月17日 (月)

鳩山代表の「本気度」

 前回のエントリーで、外交・平和政策について、社民・共産の「本気度」がためされている、と書いた。当塾では、これまで究極の平和構築手段として、EUをモデルとする「共同体」への道を示唆してきた。

 民主党や社民党のマニフェストでも「東アジア共同体」とか「東アジア非核化」などという言葉が項目として掲げられている。しかし、それに至る道筋は示されておらず、記事にした「民主党・マニフェスト」でも北朝鮮への強硬対策と同居していることから「不安な方向感覚」という批判を書いた。

 これについて、毎日新聞(8/16)が鳩山氏の構想の輪郭を示す記事を書いているので紹介したい。わかりやすいのが電子版にない右の図だ。四角で囲った3項目のトライアングル(■安全保障・■歴史認識・■経済)でそれぞれを短期行動から長期目標へ向かう手順を示している。

 2009_08170001それで、これまできバラバラに表明されていた政策や発想が結びついてくる。またその実現のためには、「各国との相互依存、信頼関係の構築」が必要としている。その中の「北朝鮮への貨物検査」は一見相反するように見えるが、外交にとって強い意志、「梃子」としての力を持つことは必要だろう。

 
 おそらく、日本では突飛なことと考えられるに違いない。いかし意外に機は熟しているのである。先月21日の、ロシア・韓国の国防相会議で示されたロシアの朝鮮半島非核化促進支持発言、同23日の「中国は、対話を堅持し、6カ国協議を堅持することが、朝鮮半島の非核化を実現する最良の道だと考える」という同国外交部の表明が続いた。

 北朝鮮は、かつてアメリカに半島の非核化を公約している。現在では核実験強行でホゴになっているが、故・金日成将軍の遺言でもある。しかしせっかく手にした核を、北が無条件に放棄することは考えられない。

 今、北の最大の国家目標はアメリカとの対等な対話である。それには核武装からの撤退が必要なことは百も承知している。それを名誉ある形で実現させ、朝鮮民族の先祖崇拝観念を満足させるには、日本を含めた「非核化」は有力な材料である。核不攻撃を米・中・ロがそれをギャランティーすることになる。

 オバマ大統領に変わったアメリカに反対する理由はない。もしあるとすれば、同盟国の日本が「核の傘」を強く望んでいるから、ぐらいだろう。鳩山代表にも大きな難関が待ちかまえている。自民党はもとより、民主党内にも存在する排外主義者、軍国主義者、ネット右翼まがいの反中、嫌韓、反朝鮮議員の猛烈な反駁である。

 朝鮮側にも一抹の不安がなきにしもあらず、「日本帝国」復活ではないかという対日不信だ。これには、憲法9条厳守で答えるしかない。鳩山代表は、代表としての初の外遊先を韓国に選び、李明博大統領に「一番大なのはナショナリズムのとりこにならないことだ」と訴えた。

 また、11日の記者会見で「過去の日本の行為を見つめる勇気を持ちながら未来志向で望む意思は、他の政党に負けない」とも言っている。自民党に向けたものであると同時に、社民・共産など野党にも向けたものであろう。

 鳩山氏の構想をどうすれば瓦解させず一歩でも前進させられるのか、鳩山氏の指導力とともに、社民・共産の一糸乱れぬ協力態勢こそ、両党の「本気度」バロメーターになる。共同体問題は、今回の選挙の大きな争点、そしてその後にあり得る政界再編の機軸として大いに注目したい。

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