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2009年8月31日 (月)

安保政策で「チェンジ」を

 今日から変わる。反権力が権力になり権力が反権力になる。仮にそうであれば、敗戦で体験したときのことと同じだ。当時は「茫然自失」という言葉がよく使われたが、なにも「頭が真っ白」という意味ではない。

 庶民の暮らし、日々の営みが終戦の詔勅を境に突然変わったわけではない。アメリカ敵視や戦時体制は半月ほどくすぶり続け、ようやく最後の煙が消えたのは翌年正月の「天皇人間宣言」があった頃だ。

戦時教育に励んだ学校の先生も、ゆっくりと気づかれないように方向転換をはかり、校長などの指導者がいつの間にか替わっていった。

 選挙後のマスメディアも急には変われない。これまでワイドショウで使い慣れている自民党議員がそのままゲスト出演している。いつかは自民離れする日があるのかも知れないが、長年の惰性をそう急には変えられないのだろう。

 怒濤の勢いを見せた民主にも、ポッカリ穴があいたような所があった。それが明治維新、海外事情に通じて鎖国の惰眠に風穴をあけた開明の士、高杉晋作と坂本龍馬を産んだ長州と土佐である。いつの頃から頑迷固陋の保守の気風に変わったのだろう。

 山口4区で安倍晋三候補に果敢に立ち向かわれた戸倉さんは、ブログの縁がありひそかに応援していた。残念な落選ではあるが、仮に次の参院選で再挑戦されることがあるにしろ、当面はすべてを忘れ、ゆっくり心身ともに休養をとっていただきたい。

 さて、その民主党。社民・国民新党を加え318議席というのは、立派に「チェンジ」を果たせる数である。当選議員の69%が「憲法9条を守る」立場を表明しており、その中の79%は「集団的自衛権の解釈を変える必要なし」と考えている。

 以上は複数のアンケートをもとにしているが、アンケート結果は時と場合で違う答えをしているものなどもあり、カウント自体正確を期すことが困難である。しかし、これまでの因習にとらわれない回答が新人議員の増加にともなって現れたもので、新民主党の大勢を表していると見ていいだろう。

 また、自民党右翼ばりの意識にとらわれ抵抗勢力になりうる議員は、解散前とかわらない20人前後であると見られるが、大勝で分派行動はしにくくなった。残りは判断不能の回答や無回答者で、党首の指導力次第で態度を決めるか、大勢順応型といっていいだろう。
 
 民主党のマニフェストに関連して半月ほど前「鳩山代表の本気度」という記事を書いた。それは、「東アジア共同体」構想についてである。本塾はEUのような共同体構想こそ究極の平和・安全保障体制だと考えている。

 鳩山代表の「友愛」の精神は、祖父一郎元首相が、第2次大戦後現在あるEU誕生のきっかけを作ったといわれるオーストリアの政治家リヒャルト・クーデンホーフ・カレルギーの『自由と人生』を読んで感動。52年の政界復帰後、訳書を出し、友愛に満ちた社会を実現する「友愛革命」を唱えたことがはじめといわれる。

 一般でいわれているような、ふんわかムードの仲良しクラブとは違う。手始めに考えられる「東アジア非核地域」は、日本、南北朝鮮が対象となる。麻生首相の背広でおなじみのブルーリボンバッジ組には、とんでもない話かも知れないが決して夢物語ではない。

 ここでの詳細は避けるが、同党当選議員のうたち「アジア重視」と共に「北朝鮮制裁強化より話し合いを」という意見の持ち主が54人もいる。この意見は、共産党議員に多いが、決して共産党の回し者ではない。亀井静香氏をはじめ、9条改憲論者の中にもいるからだ。

 鳩山首相が掲げる理想が多くの人の共感を得るまでまだまだ時間がかかるだろう。しかし決して少なくない応援者がいることを信じて、日本の「チェンジ」に突き進んでいただきたい。

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コメント

東日本では民主党大勝利。西日本の薩摩長州土佐で自民が勝っている。
今後の自民党ですが政権維持が最大の目標だった政党なので、細川時代の10ヶ月程度なら辛抱出来るが4年後の任期切れ総選挙までの長さなら、辛抱できず組織が持たないでしょう。
『馬糞の川流れ』で、自民党議員で実力が有る政治家なら、政権与党の民主党に入党して実質的な自民民主大連立になり自民党は消滅する。
結局欧米型の二大政党制は、大勢順応型で時流に便乗する日本では二極並立にはならず一極にしかならないので根付きません。
戦後一貫して政治の実権を握っていた自民党解体は矢張り革命的な出来事ですが、外国の報道が実に面白いですよ。
曰く、政権交代だからといって『日本人は踊っていない』
『大勢が酔っぱらって大声で合唱することもないし、裸になって皇居のお堀に飛び込むなんてこともなかった』
欧米とは大違いで、阪神優勝よりもいたってクール。
そういえば140年前の明治維新も一般庶民はそれ程関心は無かった様で、革命騒ぎより伊勢参り(お陰参り)の方が熱狂していた。
薩摩長州土佐の西国列藩が140年前には幕府権力を倒し、東北の諸藩がこの動きに最期まで抵抗(徳川に義理立て?)して酷い目にあっているが、
基本的に譜代大名の桑名藩は鳥羽伏見の戦いで幕府軍が劣勢になれば伏見城入城を拒み勝っている方(新政府)に味方した。
薩摩藩も攘夷の急先鋒で徳川幕府の有力な後ろ盾だったが、薩英戦争以後に幕府を見限って勝ちそうな長州と同盟する。
今回、負けた自民党(幕府)に目方した薩摩長州土佐の人々の殆んどが、日本の古くからの伝統に従がい間違いなく、勝った民主党に鞍替えするはずです。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年9月 1日 (火) 12時35分

面白い説、ありがとうございました。そういえば好きな人ではないが吉田松陰。
最初は臆面もなく大陸侵攻、国威発揚を叫んでましたが、獄死する直前、アジア融和説に変えています。
長州人には毀誉褒貶がたえずつきまといますが、伊藤博文以来、岸、佐藤、安倍とだんだん質が落ちていまはどん底でしょう。

投稿: ましま | 2009年9月 1日 (火) 13時23分

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