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2009年8月21日 (金)

集団的自衛権

 今度の選挙で、日本の安全にとって非常に重要な問題なのに、キチンと議論がされていない問題が、「集団的自衛権」です。「日本に権利としての集団的自衛権はあるが、憲法の規定上その行使は制限される」というのがこれまでの政府の考えでした。

 「集団的自衛権」とは簡単にいうと、アメリカは日本を守る、かわりにアメリカが攻撃されたら日本が加勢する、という関係をいいます。この言葉はもともと国連憲章にでてくる言葉です。だからどうしても国連憲章から調べてみる必要があります。

 国連憲章は、“戦争”一切禁止です。この点は、日本国憲法9条と同じ趣旨で、昭和3年、日、米、英、仏など15カ国が結んだパリ不戦条約が元になっています。それでも「自衛」戦争ならいいという解釈で、第2次大戦なども防げませんでした。

 したがってその反省でできた国連憲章は、「戦争」という言葉を一切避け「武力行使」という表現にしています。最初に大原則をかかげ、第1章第2条で、加盟国はいかなる国の領土や政治的独立を侵す武力による威嚇または武力の行使を慎まなければならない、としています。

 そして、ずーとあとの方、第51条になってはじめて[自衛権]という条がでてきます。それは、加盟国が武力攻撃を受けた場合、国連安保理が必要な措置をとるまでの間、緊急措置として自衛のための行動はとれるが、それはすぐ国連に報告しなければならないということです。

 ここに「固有又は集団的自衛の固有の権利」という言葉が出てくるのです。この文言は最初の案にはなかった概念ですが、中南米、ラテンアメリカの国々が、大国の安保理における拒否権のため固有の権利が発揮できないので複数の国が共同して自衛をしたい、というところから出たようです。 

 これに乗ったのが、当時米大陸の盟主を任じていたアメリカ合衆国です。憲章全体の原則があいまいになるという反対意見も出ましたが、結局アメリカの強硬意見と他の有力国とのかけひきの中で決定をみました。したがって日米同盟のような2国間、あるいはかつての「攻守同盟」のようなものを意識していたとは思えません。 

 日米安保条約は1960年に締結され、一度も改正されていません。当時は冷戦さなかで、日米間の経済的・軍事的格差もとても対等な間柄とは言えませんでした。したがって当時の環境に従った内容で、日本が守る範囲は日本の領域内、アメリカが行動する範囲も「極東」という狭い範囲にしています。

 また、条文の中で双方の憲法の規定を尊重することも書かれています。安保条約の見直しというと「反米的」にとられかねない雰囲気がありますが、アメリカにとっても古くさいものになっているのです。両国間が現在どうあれば最も前向きな関係になれるか、また平和に貢献できるか、国内でももっと議論しあい、日米新時代を築く時代に来ているのではないでしょうか。

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