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2009年8月 1日 (土)

自民党・マニフェスト

北朝鮮と戦争をする公約

 これまで、自民党の良識派にかすかな期待もあったが、こんな物騒な公約を出すようでは、自民党を本気でつぶさなければならないと思います。アメリカの可愛い「ポチ」から猟犬に格上げしたのです。それも獲物は弱い北朝鮮限定です。

 安倍晋三首相時代、シーハー駐日大使はミサイルアメリカに向かうミサイルの撃墜など、日本に傲慢な要求を突きつけました。それに応じ安倍は、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(アーミテージ国務副長官から「ショー・ザ・フラッグ」と自衛隊派遣を強要されたとされる当時の駐米大使・柳井俊二が座長)を設け、「集団的自衛権行使」に風穴をあけようとしました。しかし、安倍退陣に従い日の目をみることなく、福田政権下では棚上げになっていました。今回どさくさに紛れて公約化、復活させようとするもので、各野党もマスコミも見逃していいわけありません。

 特に、北朝鮮の弾道ミサイルから日本国民の安全を守るため、同盟国である米国に向かう弾道ミサイルの迎撃や弾道ミサイル防衛で連携する米国艦艇の防護などが可能となるよう、必要な安全保障上の手当を行う。

 これがマニフェストの「9外交・安全保障」に書かれていることがらです。日本語としてもおかしな文章で、日本国民の安全になぜアメリカ向けミサイル撃破が役に立つのかわかりません。自民は具体例を示したつもりかも知れません。それならもっと具体的に当塾のケーススタディーをしてみましょう。

① 北がテポドン4号の発射準備をする。こんどは明らかに前回より大きい。アメリカ本土に到達する可能性は大である。アメリカはスパイ衛星はもとより、情報集めに躍起になる。そこへCIEに複数の筋から、直接対話に応じないアメリカに脅威を与えるためのICBM発射準備である、との情報が入る。

② アメリカは国連安保理に連絡し、北に警告するが、北は例によって「人工衛星」と言い張る。アメリカは発射の時間が迫ったと判断し、日本海上の米空母から艦載機を飛ばし発射台を破壊する(アメリカ流の先制攻撃論)。

③ 北は将軍様親子の面目まるつぶれになるので、当然報復を考える。かねて訓練してきた地対艦ミサイルを米空母とそれを護衛する海上自衛隊護衛艦に向けて発射する。

④ 同時にソウル近郊の米軍基地などに向けスカッドなど打ちまくり、日本本土には200はあるというノドンを数十カ所の秘密かつ移動可能な発射台から無差別に撃つ。そのうち何発かはパトリオット(PAC-3)で撃墜できても完全防御は不可能である。

⑤ 「核の傘発動で、北は壊滅する」ことはあり得ない。通常兵器での空からの攻撃はするだろうが、隣接国、中・ロ・韓国に死の灰が及ぶ壊滅作戦などはあり得ない。

 このうち、①と②は、ブッシュのイラク攻撃からみもてあり得ない話ではありませんね。③、④は最近の金正日の求心力不足から、以前より無謀な行動にでる可能性があり得ます。上のケースだけでなく、日本がミサイルを迎撃したとしても結果は同じです。

 宇宙平和利用の権利はどの国にもあり、宇宙での武力行使は国際法で禁止されています。宇宙というのは、海における公海と同じでそこで米朝の軍艦が衝突し、自衛艦が北の軍艦を砲撃撃沈したらどうなるでしょう。それを考えれば自ずから結論がでます。また、自民党マニフェストでは「北朝鮮へ断固とした対応」の一本槍で、話し合いの「は」の字も出てきません。

 米中蜜月時代がクローズアップされ、米朝直接対話が国連の仲介などで実現すると、自民党マニフェストはたちまちコケにされます。拉致被害者の救出がおくれてもなぜ「断固とした対応」の方がいいのでしょうか。

 上のテストケースのようなことが起きないようにするのが政治家第一の仕事ではありませんか。強がりを言っていれば選挙が有利になると考えるほど落ちぶれた党に、日本の将来をゆだねるわけにはいきません。そんな党が権力を握れば文民統制も絵に描いた餅、戦争にまきこまれます。

公明党は手を切るチャンス

 拝啓 太田昭宏公明党代表さま

 貴党は、憲法9条の1項、2項とも堅持する、とマニフェストで明記されました。社・共はもとより民主党もそうです。しかるに自民党は「自主憲法制定」の名のもと9条2章の名称を変え、2項に軍隊創設をうたう改定案(自民党新憲法草案)の実現を公約しました。

 また、毎日新聞のアンケート調査によると、貴党の衆院立候補予定者の88%は「集団自衛権の解釈を見直す必要がない」としており、参院選前の貴党比例区立候補者は、100%9条改正に反対し、100%が集団的自衛権の行使に反対でした。

 代表ご自身のお考えもそのように拝察しています。これまで、与党であることに実利を見いだしておられたご方針も昨年秋からことごとに裏切られ、もはや連立政権維持にも暗雲がただようようになりました。そのええ平和を愛する創価学会の方々に冷や水をかけるような自民のマニフェスト、もう選挙協力を押しつけるのは酷ではないでしょうか。

 貴党の我慢も限界にきていませんか。明らかに相反するマニフェストを持つ党が連立をめざすのは、創価学会員のみならず国民全体を愚弄することになります。言葉は悪いが振りこめ詐欺のようなものです。これを機に連立を断念し、初心に返って政党のありかたをじっくり検討していただきたいと思います。

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コメント

10年で平均所得を100万円上げるというのは分りやすい。
社会主義政党の民主党には不可能なことである。
高速道路無料化のために毎年約2兆円の税金を負担させらるのはご免願う。
高速利用者の票を取りたいのは分るが、人の税金を使うのはやめるぺき。
岡田克也は私学助成をやめて財源を作るというが、それは日教組と関係ない私学への嫌がらせ。

投稿: 民主党は日教組と在日の政党 | 2009年8月 2日 (日) 17時02分

 失礼します。
 マニフェストの「同盟国である米国に向かう弾道ミサイルの迎撃」という点ですが、北朝鮮からアメリカに向かう弾道ミサイルは、地球儀を見ると、中国・ロシア、そして北極の方を飛ぶと思うのです。日本上空を飛ばないミサイルを迎撃するなんて技術的に無理でしょう。
 自民党が「北朝鮮」を言うとき、いつも的外れだと感じています。

投稿: 雷鳥 | 2009年8月 3日 (月) 22時50分

雷鳥 さま
コメントありがとうございます。

いいご指摘でした。私も意識の底にはあったことなので、拙シナリオ中の「アメリカ本土」は、ハワイに訂正し、別途補足のエントリーを考えようと思います。

コメントを引用させていただきたく、お願いします。

投稿: ましま | 2009年8月 4日 (火) 07時03分

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受信: 2009年8月 4日 (火) 00時17分

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