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2009年7月16日 (木)

唯一の被爆国の責任

 オバマ米大統領は4月5日のプラハ演説で、「米国は核兵器を使用した唯一の核保有国として行動する道義的責任がある」と述べ、核廃絶への一歩を踏み出す宣言を世界に向けて行いました。日本は唯一の被爆国としてどう行動する責任があるのでしょうか。

 来月は、いつものように「原爆忌」がやってきます。オバマ演説後はじめての原爆忌です。例年以上に世界の耳目が広島・長崎に集まるでしょう。本来なら「唯一の被爆国の責任」を国として高らかに宣言し、アメリカの政策を後押しするまたとない機会です。

 それにつけても、これまでのように「原爆反対!」「核実験反対!」だけでいいのでしょうか。もちろんその看板は掲げ続けなければなりません。オバマ大統領も目標への道のりは非常に遠く、生きているうちに達成できるかどうかわからない、といっています。

 しかし、その一歩を踏み出す覚悟を示したのです。日本はそれを2歩、3歩前に進める役割を担わなければなりません。それなのに、日本は(ミゾウユウの)政権党大混乱。総理が出席するとなれば、今日明日にでも総理が辞職表明して28日までに総裁選と国会の次期首班指名をしない限り、麻生さんでしょう。

 それでも、先が見えているよれよれ総理です。とてもオバマさんのような格調高い演説は期待すべくもありません。仮に言えるとすれば、「日本の「非核三原則」やNPT(核拡散防止条約)などの国際条約の完全実施に向けて先頭に立つ」ぐらいのことでしょうか。

 もちろん口先だけのことでは意味がありません。1960年の日米安保条約改定時に両政府が結んだ日本への「核持ち込み」の密約が存在しないなど、今どき誰も信ずる人はいません。与党にいる河野太郎衆院外務委員長でさえ、政府の方針に反し密約存在決議をする、といっています。

 ここらを手始めに日米同盟の見直しから始めることです。それから、すでに存在する東南アジア非核地帯条約、中央アジア非各地帯条約に東アジア・南アジアを加え、アジア非核地帯を目指すなど意欲的な方向づけが必要です。

 そこまでの決意を示せば、東国原効果などをねらうよりよぼと自民党の起死回生につながったでしょう。もっともそれほどの指導力があればこうならなかったわけで、民主党がマニフェストに載せることぐらいは、期待したいと思います。

 さきほど、核持ち込み密約のことに触れました。現在はないにしても、これまでは日常的に持ち込まれていたかも知れない、というのが現実です。これからも「核の傘」を期待している限り、そういった現実を無視することはできません。

 このブログでは、核兵器開発の直前まで研究はしておくべきだという「寸止め論」に触れたことがあります。これはなんと、非核3原則を掲げた佐藤内閣時代の1968年に「外交政策委員会」という非公式な研究会が「わが国の外交政策大綱」という中で述べていたことでした。

 内容は「当面核兵器は保有しない政策はとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(能力)は常に保持するとともに、これに対する掣肘(せいちゅう)を受けないよう配慮する」というもので、極秘扱いでした。

 「怪しからん!!」などといわないでください。これも当時の国際関係の現実の中から生まれたものです。また、日本は原子力発電所から出るプルトニュウムが、すでに組成核爆弾5000発分をこえ、さらに増え続けています。これは世界5指に入る核大国です。核被爆国として被害者ぶる時代ではなくなりました。

 これを安全に処理する合理的な方法はまだ開発されていないにもかかわらず、国民は1次エネルギーの10数%を原子力に頼っています。いいたいことは、本当に核兵器廃絶や原子力エネルギー依存から抜け出すためには、まず現実に向き合いそこから一歩ずつ解決方法を探っていかなければならないということです。

 極秘扱いや密約などをなくし、そのような現実に向き合う意識転換ができれば、日本もオバマチェンジにおとらぬ「国際社会で名誉ある地位を得る」ことが可能になります。だけど、やはり「真夏の夜の夢」でしょうか。shock

 

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