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2009年7月10日 (金)

首脳会議核軍縮声明と年表

 09年7月9日、イタリアのラクイラで開かれた拡大G8サミット(G8、EU、中国、インド、ブラジル、メキシコ、南アフリカ)は、共同宣言を採択した。その核軍縮に関連する部分と、核軍縮関係の年表を以下に採録し、カテゴリ「データ・資料」の一環に加える(太字は管理人、末尾に解説を記載)。

核不拡散要旨(毎日新聞による)
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 ■総論・大量破壊兵器とその運搬手段の拡散が世界的な課題で、国際安全保障への重大な脅威であり続けていることを認識。核拡散防止条約(NPT)、化学兵器禁止条約(CWC)などに未加盟のすべての国に対し、遅滞なく条約に加入するよう求める。

 ■NPT・NPT体制が2010年運用検討会議により強化されるようともに取り組む。

 ■CTBT・核実験全面禁止条約(CTBT)早期発効及び普遍化に向けた努力を強化する。

 ■核軍縮・核兵器のない世界に向けた状況を作ることを約束する。
・戦略核弾頭数を削減するとした7月6日の米露首脳の合意を歓迎する。

 ■FMCT・兵器用核分裂性物質生産禁止条約(FMCT、カットオフ条約)の交渉早期開始を強く支持する。

 ■北朝鮮・5月の核実験や4月の弾道ミサイル発射を最も強い表現で非難。6カ国協議への早期復帰を含め、対話と協力を要請。すべての核兵器及び既存の核計画の放棄を含め、05年9月19日の共同声明の完全実施の重要性を強調する。
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核兵器関連年表(---内は川崎哲『核拡散』による)
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1945.7 米国がアラモゴルドにて世界最初の核実験
   8 広島・長崎に原爆投下
 49.8 ソ連が最初の核実験
 52.10 英国が最初の核実験
   11 米国が最初の水爆実験
 53.8 ソ連が最初の水爆実験
 54.3 米国がビキニ環礁で水爆実験(第五福竜丸が被爆)
 60.2 フランスが最初の核実験
 62.10 キューバ危機
 63.8 部分的核実験禁止条約(PTBT)採択
 64.10 中国が最初の核実験
 67.2 ラテンアメリカ非核地帯条約署名
 68.7 核拡散防止条約(NPT)署名
 72.5 米ソ、第一次戦略兵器制限条約(SALTⅠ)署名
     弾道ミサイル制限条約(ABM条約)署名
 74.5 インドが地下核実験
 79.6 米ソ、SALTⅡ署名
 85.8 南太平洋非核地帯条約署名
 87.12 米ソ、中距離核戦力(INF)全廃条約署名
 89.12 米ソ首脳会議(マルタ)で冷戦終結宣言
 91.1 湾岸戦争
   7 米ソ、第一次戦略兵器削減条約(STALTⅠ)署名
   12 ソ連崩壊
 92.1 朝鮮半島非核化共同宣言署名
 93.1 米ソ、STALTⅡ署名(発効せず) 
 94.10 米朝枠組み合意
 95.5 NTP無期限延長決定
 96.4 アフリカ非核地帯条約署名
   7 核兵器使用を違法とするICJ勧告的意見
   9 包括的核実験禁止条約(CTBT)署名開始
 97.3 米ロ、STALTⅢ枠組み合意
   5 IAEAモデル追加議定書採択
 98.5 インドが地下核実験、つづいてパキスタンも
   6 新アジェンダ連合発足
 99.10 米国上院、CTBT批准否決
2000.4 第6回NTP再検討会議
 01.9 米国同時多発テロ事件
   12 米国、ABM条約脱退通告
 02.1 米国務省、「核態勢見直し(NPR)」報告文を公表
    米大統領、北朝鮮、イラン、イラクを「悪の枢軸」と批判
   5 米ロ、モスクワ条約署名
   9 日朝平壌宣言
    米大統領、先制攻撃を明記した「国家安全保障戦略」発表
  12 米大統領、「大量破壊兵器と戦う国家戦略」発表
 03.1 北朝鮮、NPT脱退宣言
   3 イラク戦争
   8 北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議
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 05.9 6カ国協議による北朝鮮、核放棄に関する共同声明
   7 北朝鮮、ミサイル発射に対して安保理非難決議
 06.10 北朝鮮、最初の核実験
 07.4 オバマ米大統領候補、核廃絶公約宣言
  09.4 オバマ米大統領、核廃絶に向けたプラハ演説
   7 米ロ首脳、第一次戦略兵器削減条約(STALTⅠ)に代わる新条約で、戦略核弾頭を1500~1675個に削減することに合意
   7 イタリア・ラクイラ拡大サミットで核軍縮に向けた共同宣言
 09.12 START1、失効
 10.4 米、核不拡散を順守する非核保有国に核兵器を使用しない「消極的安全保証」=核態勢見直し(NPR)を発表
 10.4 米露、新核軍縮条約(新STALT)調印→1550個
 10.5 NPT再検討会議開催、米保有核弾頭5113発と発表。過去20年間で75%削減
     
  

用語解説

戦略核
運搬手段→大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、重爆撃機
戦術核
運搬手段→戦術・戦域弾道ミサイル(TBM)、中距離ミサイル(IRBM)

核拡散防止条約NPT)】核拡散および核軍縮の基盤となる枠組み提供。68年署名開始70年発効。米、ロ、仏、英、中を核兵器国、残りの加盟国を非核兵器国とし、核不拡散と核軍縮のため双方が果たすべき義務を定めている。核を保有していて未加入の国は、インド、パキスタン、イスラエルの3国、北朝鮮は脱退した。核兵器国には核軍縮推進を義務づけ、非核兵器国には核の平和利用権利を認めた。

化学兵器禁止条約CWC)】
核実験全面禁止条約CTBT)】
兵器用核分裂性物質生産禁止条約FMCT、カットオフ条約)】

弾道ミサイル制限条約ABM条約)】弾道ミサイル防衛システムの否定
第一次戦略兵器削減条約STALTⅠ)】戦略核弾頭の上限数、米露で6000
非同盟運動NAM)】核兵器国に対して核軍縮を求めてきた中心的勢力。マレーシア、インドネシア、南アフリカなど133カ国

新アジェンダ連合】軍縮に中核となって行動を起こす中堅国家グループ。ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデンの7カ国
国際原子力機関IAEA)】原子力の平和利用を促進し、軍事転用されないための保障措置の実施をする国連傘下の機関。本部の所在地はオーストリアのウィーン

国際安全保障研究所ISIS)】ワシントンにある民間の研究所
国連監視検証査察委員会UNMOVIC)】イラクでは大量破壊兵器査察をおこなった
核態勢見直しNPR)】米核戦略指針、ブッシュ・ジュニアー時代に核の使用や実験(地中貫通型など)を見直す動きが表面化した。10年4月の発表では、核兵器非保有国への使用はしないとしたが、先制攻撃否定はしなかった。

モスクワ条約】米・ロ、戦略核弾頭数1700~2200個(STALTⅠは6000個以下)
新核軍縮条約】米・ロ、戦略核弾頭数7年以内に1550に制限、有効期間10年、米上院とロシア国会の批准が必要。

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2 009 年3 月3日と24 日、そして5月11日この日を忘れられない方もいると思う。 3月3日、小沢氏秘書の大久保氏が逮捕、24日 逮捕事実のみに近い状態で起訴 、5月11日小沢代表辞任。 これが怨念に近い状態だということを読み取れないマスコミと自民党、そして漆間、東京地検が、信用をされることは二度とないだろう。 この3月3日以降の出来事に対する一般の認識が今までとは違ってきていて、「検察のあり方と報道のあり方」に重大な影を落としたことに馬鹿なマスコミとコメンテーターや評論家。地検は気がついてい... [続きを読む]

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