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2009年6月 4日 (木)

中・朝の現実

 前々回のエントリーが「白昼夢」であった。買ったまま読んでいなかった『週刊朝日緊急増刊・朝日ジャーナル4.30号』を見ていたら、「外交に民主主義は不要!難問を米に頼らずに解決せよ」と題する記事があった。

 それによると「白昼夢」は麻生外交などの方で、わが塾の「白昼夢」は、なかなか現実味のあるような論調になっている。筆者は、北京大学に在学経験のあるジャーナリスト・富坂聡氏で、遅まきながら紹介しておきたい。

 全体を要約すると、日本の外交は、尖閣諸島の領有問題も拉致問題にしても「軍事大国アメリカに働きかけるだけの思考停止」状態にあるとし、またメディアもこれを検証する力がなく、政府や国民世論(民主主義)に追随するだけで、解決をむしろ遠ざけているという指摘である。

 そして、北朝鮮の核実験に対する中国の反応について、その蛮行を中国自身が止められなかったことに対する批判が噴出すると同時に、「北朝鮮は60年代の中国と同じで危険だ。とてもまともに相手できない」という慎重意見が党・軍の幹部に多いという。

 60年代の中国といえば対外的には中ソの対立が激化し、全面戦争を覚悟した悲壮な時代だ。旧ソ連は中国に原爆を投下することを本気で計画し、中国はそれを事前に察知し、「原爆を落とされても誰かが生き残って報復する」ために主だった将軍を全国に散らせた。中国が北朝鮮の現状をこんなふうに見ていることは興味深い。

 一方、その中国もほんの10年ほど前まで「アメリカの兵士が1万人も死ねば世論が反戦に傾き戦争の継続は困難になる。しかし中国は100万人が死んでもまだ戦争を続けられる」と豪語していた国である。

 と説き、また拉致問題に対する取り組みも「日本が自分でやる」というというより「アメリカがやってくれる」、もしくは「いつか自壊する」という淡い期待が、超大国の優越した軍事力や経済封鎖で実現すると考えているように見え、当事者であれば当然分析すべき次のような実態が無視されていると指摘する。

 人口の5%の約100万人が軍人という総戦力に近い状態を維持している国の危険性をもっと詳細に分析しなければならないはずだ。日本に置きかえれば700万人の自衛隊を持っている計算だ。マンパワーを誇る中国人民解放軍でさえ200万人だ。

 中国の軍幹部が「中国の60年代と同じだから相手にしたくない」というのも頷けるというものだ。もし裸の日本がこの危険な国と本気で向き合っていれば、相手がどんな国であれ、国家元首・金正日の謝罪の意味をもう少し考えたのではないだろうか。

 そうして、最後をこうしめくくる。「国(アメリカ)が疲弊して国民が海外の問題に興味を失えば自己完結する大国が内向することはむしろ自然だ。そうなったときに日本が慌ててももう遅いのだ」と。

  麻生(誤読)、中川(酒)大臣などに国の運命を託さなければならない不幸から早く抜け出したい。これが「夢」だ。

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