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2009年6月13日 (土)

戦後の10年

  加害者の人権ばかりを尊重し

 橋下大阪府知事がかつて人権派弁護士を攻撃した時の句ではない。活動写真弁士から戦後は名声優として鳴らした徳川夢声の60年以上も前の作である。出典は『粋人随筆』(緑地社)で、筆者はお医者さんの吉田機司さん。昭和30年に出版され、戦後10年の世相を川柳その他をまとめた類書がほかにもいくつかある。以下、*は同書の引用である。

 *敗戦後の食料不足で遅配欠配がつづき、どちらさまも青瓢箪になっていたころ、留置場の中ではのうのうと三食を食べていた。そのころの句である。

 おそらく、「人権」を盛り込んだ新憲法が国会で議論になり、「国体はゴジされたぞ 朕はタラフク食ってるぞ ナンジ人民飢えて死ね」という食料デモのプラカードが不敬罪にとわれた、昭和21年のことであろう。

 その「新憲法」についても3、4句紹介されているが、やはり腹の足しにはならないとか、「9条は親子で意見が食い違い」というさめた句が多い。9条は親が反対したのか子が反対したのかわからないが、両方ともあり得ただろう。憲法は川柳にはなじまない題材だったかのも知れない。

 このところの政治関係のニュースは、日本郵政の社長をクビにするといっていた総務大臣が、逆にクビになるなど内閣の失態もあって、近づく都議選や地方の選挙が急に注目されるようになった。

 *ことしは選挙の当たりどしである。選挙の傑作はなんといっても地方選挙にある。この前の地方選挙にはこんなのがあった。熊本県玉名郡玉水村の村長選挙に立候補した某候補は、開票の結果ただの一票。「はて、女房のやつ一体だれに投票したんだろうか」

 具体的な地名まであげているので、全くウソとも思えない。次の話も、その後まだまだ続編があり、肝炎入りの血液製剤などもっと大規模で国が謝罪しなければならないような事件まで起きた。医療詐欺事件なら今でも日常茶飯事だ。

 *数日前の新聞に、血液協会につとめていた廿四歳の青年が、今度は自分で無免許の開業をして、黴毒の血液検査証を偽造して会員にもたせ、その血液を売っていた記事があった。

  輸血して命拾って鼻が落ち

 黴毒は梅毒とも書く。その当時はまだ駆逐されていない性病として恐れられ、潰瘍で鼻が欠けるなどといわれた。したがって売春禁止法がなかった時代でも免許のない売春婦と交わる時には、その覚悟が必要だったのである。

 世情、現在と同じようでもあり、全く違うようでもある。さて?。

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