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2009年5月 9日 (土)

風船の哲学

 熱気球に乗ってはしゃいでいる朝青龍の映像がテレビに出ていた。と、思ったら今度はモンゴル勢力士が揃ってゴルフに行ったというのでスポーツ紙などが騒ぎにしている。親方を通じて厳重注意だそうだが、本場所前とはいえ、彼らはそんなに悪いことをしたのだろうか。

 かと思うと、桝添厚生労働大臣の、帰国高校生らが新型インフル感染したことを発表する発表するあの引きつった顔と早口。水際作戦にこだわり過ぎてはいないだろうか。日本人には、どうもことごとに緊張をあおるくせがあるようだ。天孫民族ならぬテンション民族とはよく言ったものだ。

 もうすこし、青空にゆっくり舞い上がる風船のように、おおらかにいかないものだろうか。ただしこのエントリーの題「風船の哲学」は、そんな話ではない。前回に続いて小沢民主党代表の辞任がテーマで、毎日新聞に載っていた岩見隆夫の「近聞遠見」という政治コラムで見た全く違う話である。

 そもそも言葉の起源はこうだ。34年余前の74年暮れ、自民党は田中角栄首相が金脈批判で退陣したあとの後継問題は、椎名悦三郎副総裁に選定を一任される。「三角大福中」といわれた実力者の中から角を継ぐべき人は誰かを選ばなければならない。椎名は悩む。

 当時の記者の分析によると「あらゆる可能性をもたせ、風船を大きくふくらませておいて、いざ、という時に一気に口をあける」のが政局の緊張を解くこつで、最も意外性のある少数派閥の三木武夫を指名し、異論噴出と思いきや、あっという間に政争は終息させた。まさに風船の効用だという。

 次ぎの風船は、94年夏にふくらむ。細川連立政権が短命で倒れ、あとの羽田政権も崩壊寸前の時だ。非自民で連立に加わった最大勢力の社会党が、小沢一郎新生党代表幹事と市川雄一公明党書記長の一・一コンビによる強引な政権支配でそでにされ、反旗をひるがえした。

 一方、万年与党に慣れていた自民党は野党暮らしに耐え切れず、我慢が限度に近づいていた。そこで村山(富市・社会党委員長)を担いで政権を奪回するという奇策が生まれる。風船をを操っていた人について岩見は語っていない。

 村山か、自民党河野総裁か、野中か、さきがけの竹村か、とにかくこれも「風船哲学」が効を奏し、自社双方の内部の反対を封じてしまった。岩見は、小沢代表が風船を限度いっぱいふくらませ、解散と同時に後継者を指名して代表辞任をするという手があることをサジェスチョンする。

 しかし、三木、村山内閣の時とは時代が違う。個人芸で国の代表者を決める時代は過去のものであろう。ここ3代続いて国会選挙の洗礼を受けず自民党首相が続いた。しかし森首相が密室協議のもとで決まったという批判から、党代表者はまがりなりにも開かれた選挙で選ぶという習慣が付いている。

 小沢氏が後継指名をするにしても、党内公選は避けられない手続きだろう。それがないとすれば、小沢氏の政治手法とあわせて、自民党ですらなくなった過去の政治体質をひきずった党として国民から見放されてもやむを得ないということになる。

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コメント

ましま様
こんにちは。自社さ政権誕生の背景で、ウルグアイ・ラウンドで新進党はコメを自由化すべきと言ったが、社会党は農村に基盤があり反対だったことを民主党藤井裕久最高顧問がインタビューで述べていたと阿比留さんが書いています。
小沢さん、厳しいですね。先日コメントさせていただいた検察OB郷原氏のユーチューブ映像がとてもわかりやすく、また、今日9日の田勢さんの週刊ニュース新書では、鈴木宗男さんが、検察批判と、若い人たちは、明日は我が身と考えるべきというようなことを言って、小沢氏続投を強く支持していました。
しかし7日には前原グループの会がありましたし、明日の時事放談では仙谷由人氏が発言しています。
13日の党首討論があれば、衆議院TVで自分の目で全部見ようと思います。

投稿: 散策 | 2009年5月 9日 (土) 23時53分

(訂正)上記 「新進党」は誤り、「新生党」が正しい。
ネットを見ていての今の感想を書くと、説明責任というのは、先の郷原氏のユーチューブや第三者委員会の映像で十分と思います。今後の企業献金については、全面禁止を小沢さんが出して、民主党内で5年後までにと押し戻されたと鈴木宗男さんが言っていました。でも、普通の人は、第三者委員会のホームページにアクセスして見ようとはしません。新聞やテレビ番組で見るだけです。さてさて。
小沢氏は、アフガン派兵を容認するのではという危惧があったり、政権中枢にいたこともあり、どうしても総理になったときに信用できるというところまで自分の気持ちがいかないのがつらいところ。ネットで見た中には、「検察と小沢の間の闘争も八百長の可能性を考える必要があるでしょう。」と書いているかたまでおり、ちょっとこれ以上先が想像できないので今日は終了します。

投稿: 散策 | 2009年5月10日 (日) 01時30分

散策 さま
何度もコメントいたたきながら、通知システムの不具合や、多忙のため見落としていました。ゴメンナサイ。

ただし、貴ブログにはおじゃまし、動画もすこし見ましたが、難聴のためイヤホンを用意しないと聞き取れないのです。早速聞いてみます。

小沢さんは辞任をふくめ何かすると思いますが、政治を私にする悪い癖がこれ以上続くと国民を愚弄することになると思います。

投稿: ましま | 2009年5月10日 (日) 07時20分

ましま様
第三者委員会のホームページと、ブログ「雑感」さんに文字おこしがあります。
http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1027530/
http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1024899
http://udonenogure.iza.ne.jp/blog/entry/1025797
http://www.dai3syaiinkai.com/panel02.html

小沢さんのこと、正直わかりません。というか、中心的な政治家がどういうかたちでコミュニケーションを取り合っているのか、そして今まで何をしてきたのか、わかりません。
小沢さんが、ヒラリークリントンさんに「日米関係は従属的であってはならず、対等なパートナーシップでなくてはならない。」と言ったと報道で聞いたときは、そんなことアメリカに対して言えたのだろうかと、アメリカと合意のうえのパフォーマンスかと思いましたが、小沢さんのこういう事態をみると、本当に言ったのかもなあとも思いますし。保坂さん、戸倉さんなど、ここ数年ブログを拝見している政治家のかたは問題意識がわかりやすく信頼して見ていることができ、ありがたいです。

投稿: 散策 | 2009年5月10日 (日) 09時42分

重ね重ね感謝!!
第三者委員会もお手上げのようですね。小沢さん、何を考えているのかわからない、というのは困ったものです。
今までは、藤井さんが解説して見せたものですが……。

投稿: ましま | 2009年5月11日 (月) 07時48分

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受信: 2009年5月11日 (月) 08時07分

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