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2009年5月27日 (水)

アメリカの兵士2

 次の数字は、毎日新聞が米国防総省の資料をもとに作成したもので、その一部を要約する。(単位:万人)

              派兵期間 従軍総数 死亡 負傷 
第二次世界大戦 1941~46   1611  40.5 67.1
ベトナム戦争    1964~73    874   5.8 15.3
アフガン・イラク戦争 2001~09/5   183     0.5  3.4 

 この数字の物語るところは、第二次大戦はあとのふたつに対して、半分近くの期間なのに1600万人もの米兵が動員され、そのうち40人に一人が戦死した。まさにいかに多く相手を殺すかが戦争を左右する鍵だったのである

 しかしベトナム戦争では参加する兵の数が半減し、また死者も大幅に減った。アフガン・イラク戦争ではその傾向が更に推し進められた。科学技術の粋を集めた空からの新兵器で攻撃するため、兵の死亡率は第二次大戦の10分の1近くになり、相手側は民間人も含め10倍以上の死者を数えるようになった。

 もう一つ、特徴的な数字がある。死に至らない負傷者の割合の増加である。第二次大戦では負傷者が死者の倍になることはなかった。それがアフガン・イランでは、負傷者が死者の7倍近くに達する。米国防総省によると、爆風を受けただけで罹患するという外傷性脳挫傷(TBI)と診断された米兵が、昨年末までに2万人余になるという。すると、負傷者3.4万人の大部分ということになってしまう。

 その一方で同省は今年3月、TBIを発症する米兵が30万人以上になると推計、多くは「戦争による疲れ」などという誤解から、放置されたままだという。それでは、希望通り学生生活を送れるようになった帰還兵の生活はどうなるのだろうか。

 毎日新聞の取材によると、帰還兵の奨学金制度では学費が全額免除され、1か月約14万円の生活費が3年間支給される。しかし体調が悪い帰還兵にとっては治療と役所への手続き、学生生活をうまくこなすのは至難の業だという。

 心的外傷後ストレス(PTSD)による頭痛、吐き気、めまいという症状もさることながら、学内における周辺の無理解、同窓との年齢や経験の差からくる孤立感、無気力、喪失感、持続力などからうつ状態になることが多いという。大学のリベラルな雰囲気はこのような帰還兵を置き去りにしてしまう。

 第二次世界大戦当時の日本の精神障害兵士については、過去ログ「帰還兵の殺人」を参考にしてください。 

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2008年3月、ワシントンDCでイラク帰還兵の証言集会が行われ、約50人の帰還兵が、現地で体験した占領の実態、住民虐殺について語り、イラクからの即時撤退を訴えました。今回、この集会での証言を中心にイラク戦争の現実を伝えるドキュメンタリー「冬の兵士・良心の告発」のDVDを見る機会がありました。 イラクで起きていた、あるいは、起き続けている恐ろしい事実を、私たちもある程度知っていると、これまで思ってきましたが、帰還兵たちが口々に語る事実は、若い彼らの苦しみの表情とあいまって、これまでの知識を越えた痛ま... [続きを読む]

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