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2009年5月20日 (水)

入門編・戦争とは(番外)

 本ブログとしては初めてのことですが、投稿者moritaさまにおことわりして、いただいたコメント内容全文を掲載し、そのお答えを合わせてエントリーしたいと思います。その理由は、該当する記事が1年以上前のものであることと、moritaさまの投げかけられた疑問にお答えすることが本「塾」の本旨にかなうものと思ったからです。

 moritaさまのコメント

はじめまして、安全保障について調べていたら、ついこのページを見つけてしまいました。私はどちらかと言えば保守の人なので、
コメント書いてよいか考えましたが、
迷惑であれば削除お願いします。

まだ反戦塾の入門4までしか読んでないのですが、左派や護憲といわれる人が、安全保障について、どのようなお考えをもっているのだろう?そういう疑問にいつも突き当たるのです。

右派の論評はどちらかというとリアリズムを前提に論じています(おかしな論者も多いですけどね)。左派の論評は理想主義的価値観が強いと思うのです。

私は世界全体がそのように向かう事と、現実問題としての準備は別に考える必要があると考えます。

1についてですが、
戦争におけるメカニズムは 小説などの説はドラマ的要素が大きすぎて不適切なだと感じます。

2についてですが、
国際連合はともかく国際連盟は平和の為に作られたといえるでしょうか?

3についてですが、
歴史認識の違いは左派と右派では どうも違いすぎて、書ききれません。
ただ私が思うのは
・左派は現在を支点とし そこから過去と未来をみます。
・右派は過去を支点とし、その流れの中の現在であり未来を見ます。

4については
「希望は戦争」を私は読んでませんし、アメリカ非難は妥当だとは思いますので、特にありません。

一応、簡単ですが、感想です。

私は左派…護憲派の理想、つまり将来向かうべき指標として、それを掲げる事はすばらしいと思うのですが、現実問題部分の段階がいくつも飛び越えているように見えます。

左派の人たちが、右派の人の論理を抱合(説明)したものを構築できるのなら、私は左派になれると思うのです。

長文失礼しました。

 逐条のお答えを先にします。指摘されているエントリーを見なくてもわかるように、書き連ねることにします。まず1の「小説などの説」をとって「戦争とはこうだ」と説くのは不適切、ということです。このシリーズでは「小説」を利用した記憶が一度もありません。

 「戦争論」というジャンルの学問があり、最も古いものとして、19世紀はじめのプロシャの軍人カール・フォン・クラウゼヴィッツの書いたものが有名です。難解であることもさることながら、あまりにも古すぎて現在には当てはまりません。

 新しいものとしては、岩波新書の多木浩二著『戦争論』などがあります。また世界大戦の実態・実情については、各国に多くの公的レポートがあり、それで十分だと思います。そういった物から得た知識が記事のベースになっています。

 小説としては、トルストイの『戦争と平和』などがありますね。たしかに小説=歴史としてしまうのは誤りです。しかし、公的な文書が唯一正しいとするのも公正を欠きます。マスコミも時としてあてになりません。何が真相に近いのかを探るとき、小説、詩、日記、ことにはやり歌、川柳などが大きな役割を果たすことがあります。

 2番目についてです。国際連盟は、ご承知のように第1次世界大戦後の平和確立を目的に設立されました。第2次世界大戦が起きてしまったので、結果としては失敗したわけです。ただ、それまでの帝国主義的植民地争奪競争が否定され、その後に成立した「不戦条約」(現行憲法9条1項と同趣旨)など、初めて戦争を不法なものとした意義は大きいと思います。失敗の理由は「自衛」の場合は例外、としたことにあります。 

 3は、歴史に対する姿勢と解釈の仕方ですね。最近もあるコメントで書いたような気がしますが、歴史を書くときは、その時代に自分がタイムスリップし、あるいはその立場にいるという気持ちにならないと書けないものです(エントリーの中でもいくつか歴史を書きました)。

 すなわち、その前の歴史の連続の結果として今がある、そしてこれからどうなるのか、という疑似体験が必要だということです。それには1時点、1項目、1史料だけではなく幅広い総合的なデータが助けになります。
 
 したがって、一部の右派論客に見られるような「こういった史料が発見された」、「どこの誰それがこう言っている」などで、1、2の史料だけで歴史がひっくり返るように言うのは、「そうですか」というだけで答えようがありません。また「過去の連続」といっても、途中の「戦後レジーム」を抹消するような説では連続になりませんしね。

 ややお説教調になって、<m(__)m>←塾頭。

 このブログは、最近保守系や右派の来訪者が多いような気がします。お前はどうだ?、と問われればどちらでもない、などと中途半端なことは言いません。左派です(^^)。しかし、記事の中には自民党の一部の人を支持したり、核兵器の研究はすべきだなどと言ったりするので、その分左派の来訪者が減っているかも知れません。

 左派が左派同志で作るサロン(同好会)では、当塾設立の趣旨に合いません。その点政治的立場は「反戦」以外全くフリーです。そういったことで、moritaさま、どうぞまたのお越しをお待ちします。

  

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コメント

返答もらえると思っていなかったので驚いています。ありがとうございます。
(また自分のコメントを読み返しても内容も滅茶苦茶です、申し訳ないです)

改めて、まじめな質問をさせてください。
これは、私の左派に対する疑問であり、また現在、安全保障に対して考察している事です。
(返答はいつでも大丈夫ですので、よろしくお願いします)

質問①
私は日本人のほとんどが戦争を否定していると思います。
その意味は戦争する事を否定するという事で、
戦争が存在する現実を否定しているものではないと思います。

つまり現在の日本の安全保障においては戦争をされない事が第一で、
次に戦争をさせない事だと思います。

 (私は「戦争をしない」という表現が好きではありません、
     戦争されても、しないという解釈がなりたつから、
         その様な無抵抗主義者に疑問を感じます)

その意味において私は軍隊の所持を肯定します。
その意味において私はいくつかの同盟関係を肯定します。
その上で質問です。
・もし同盟国が戦争状態になった時 軍隊の派遣は可能ですか?
(同盟という概念を否定するなら、答えなくて良いです)

質問②
国際機関である国連がいくつかの係争に対して機能していない現実の中で
外交問題や主権侵害に対する決済を誰に求めれば良いのでしょう?

実際 北朝鮮問題において国連はあまり機能しておりません。
6カ国協議は「日本の本質的問題」でなく、「全体の問題としての核問題」を主としています。
(核問題は日本の問題でもありますので それはそれで仕方がないとは思いますが)

日本と北朝鮮の問題に関しての公平な第三者である実力機関はあるのでしょうか?

戦争の動機の一つに主権の侵害があります。
領土の不当な占拠、国民の殺害や誘拐、禁輸品の輸出…こういったものは過去に戦争の発端になってます。
なぜなら 国家の「機能や権利における範囲」を削り取る行為だからです。

これらは実際に既に日本に継続的に行われていますよね?

・この問題をどう考えますでしょうか?

よろしくお願いします。

投稿: morita | 2009年5月22日 (金) 14時37分

よくよく考えれば、まだ反戦塾の記事を読みきったわけではないので、今日明日かけて 反戦塾の主な記事を読みたいと思います。

後日改めて 当ブログの感想やまた質問したいことをコメントしたいと思います。
早計な質問大変失礼しました。

投稿: morita | 2009年5月23日 (土) 17時00分

反潜塾
一通り読みましたが、
全般的に私には、一連の文章はどうも難しすぎました。
(…すみません)

しかし【反戦塾・安保】に関して かなり頑張って読みました。

そして「9条を維持するべき」という主張を強く持っているという事は理解できました。

また、いくつかのパートで、論理の飛躍があるというか、
または省いている部分があるんだろうなと感じました。

私の感覚的には下記の2点を重点的に語られていると思いました。
・歴史的経緯、条約文の問題点、そういう事が書かれている。
・また、安保に対する社会的傾向や、政治家や論者、マスコミの問題点について書かれている。

しかし
・「安全保障」とは何かという事が
実際には語られていない気がします。
(日米安保における問題点を中心に語るとしても、
その部分はもう少し語られても良いかと思いました)

個人的な感覚なのですが、
・9条を維持する事が、日本の「安全」を「保障」する為に重要だという結論でしたが、
その根拠がわかりませんでした。

ただ日本が9条を持っている事が世界的な軍縮に繋がる部分には、とても興味を覚えました。
(感覚的にですが)

質問したい事に関しては、最初に書いた質問で変わりはありません。
(同盟と軍事同盟を分けて考えているのかな?と思われる内容のブログがありましたが、趣旨がわからなかったので、それも含めて改めて質問させてください)

よろしくお願いします。

投稿: morita | 2009年5月25日 (月) 23時19分

morita さま
5/29付け「戦争をするバカしないバカ」にお答えを書きました。
見てください。

投稿: ましま | 2009年5月29日 (金) 09時48分

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