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2009年5月 6日 (水)

回り始めた核廃絶の歯車

 来年に迫った核不拡散条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会が4日から国連本部で始まった。何の前進も見ず決裂した前回05年の会議とは違い、抑止力重視から核廃絶へ大きく舵を切った最大の核保有国のアメリカ・オバマ大統領のもとでの会議だ。

 日本は柴山外務政務官のほか広島、長崎両市長も現地入りして演説している。また、川口順子元外相がエバンス豪元外相と共同議長を務める国際的な賢人会議「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」も活動状況について各国代表らに説明する。

 日本政府の主張は、必ずしも後ろ向きとはいえないが、北朝鮮のミサイル恫喝に対する過剰反応や、中国を意識した核の傘確保を強調するなど、同じアメリカと同盟関係にある他の国とは違った抑止力への期待をにじませるなど、腰のひけた印象を持たれてもやむを得ないものがあるようだ。

 これにひき換え、オーストラリアのラッド首相が提唱し、08年7月の福田康夫前首相との日豪首脳会談で設置が合意された「核不拡散・核軍縮に関する国際委員会」は、次のようなタイムスケジュールを掲げている。また、川口議長は先制不使用について、日本政府が「検証困難で安全保障を弱体化させる」と反対の立場を示していることに対し、「(米国が先制不使用を宣言しても)同盟国への安全保障はきちんとやってもらう。日本政府より半歩前を行くことが重要」(05/06毎日新聞)と言明している。

 短期目標(09~12年)はオバマ米大統領の任期1期目を想定。米大統領が、他の核保有国が核兵器を使わない限り、米国は核を使わず、核の役割を米国と同盟国への抑止に限定するとの声明を出す。さらに、米国以外の核保有国と共に、各国が先制使用しないことを検討すると宣言する。核実験全面禁止条約(CTBT)批准促進と兵器用核分裂物質生産禁止条約の交渉を開始し、イランの核兵器開発阻止と北朝鮮の非核化を早期に達成する。

 中期目標(25年まで)=必要最低限までの核軍縮を完了。配備中の核兵器の臨戦態勢を解除。

 長期目標(25年以降)=非核化の国際検証体制構築、核兵器開発を防ぐ核技術管理などの条件を満たして核廃絶を達成。

 この国際委員会は米国のペリー元国防長官やロシア、中国、英国、インドなどの元閣僚・元首クラス計15人で構成されている。米国の同盟国である日豪が核軍縮の現実的な工程を示すことで、米国の核軍縮を後押しする狙いがある。この目標が多くの国の注目を浴びることになれば、確実に核廃絶の歯車は回り出す。

 過大な期待は禁物だが、この問題で麻生自民党政権が世界で主導的役割を果たすのはやはり無理だ。ここは被爆経験のある日本人を代表して、英語が堪能で外交実績もある川口議長に、核軍縮の歯車に油を差す役を果たしてもらいたいものだ。

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