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2009年4月15日 (水)

北朝鮮の虚言症

 安保理の議長声明に対して、北朝鮮は「6カ国協議は不要」とする強硬な姿勢で反応した。すべて想定内のようで想定外のことが一つある。それは、「非難」の文字が入るなど、議長声明が日本政府も満足するほど強硬なものになったことである。

 朝日新聞などはこれを日本外交の勝利などと説くが、そうではあるまい。ロシアや中国が議長声明案に歩み寄ったのは、北朝鮮が「人工衛星を軌道に乗せた」という子供だましの嘘を公然と世界にまき散らすなど、両国の面目に配慮を欠いた北の虚言症に愛想をつかしたからであろう。

 両国とも、打ち上げ前は人工衛星説をかげながら支持する立場だった。本塾も、その可能性は前回と違って事前の通告をしたことなどからあり得ると見ていた。前にも繰り返しているが、そうだとしても弾道ミサイルと技術開発では共通することには違いない。

 北朝鮮は衛星の楕円軌道の距離や、発信電波の周波数まで公表、国内向けには、受信将軍賛歌の録音なるものを流した。だけど世界ではロシアをはじめそれを検証できたという情報はない。軌道追跡などという高度な装置でなくても、地上に届く電波は、アンテナと受信器さえあれば誰でにでも確認ができる。

 外交のかけひきで国家が嘘をついたり、情報操作を駆使するのは当然で、場合によっては国運をかけた激しいやりとりになる。それを一般人がどこまで本当か嘘かを見極めることは、まことに困難である。ところがこの件は、本人以外にだれも証明する人がいない。北は見え透いた単純な嘘を天下にさらさし、世界と自国の人民を愚弄した。中国・ロシアが「それと同類と見られたらたまらない」という気になるのは当然だろう。

 仮に、北が「衛星の切り離しに失敗しました。今後できたら各国の協力を得て成功させ、平和に貢献したい」という声明でもだしていたらどうなるだろう。日本とアメリカがその裏を疑ったとしても、安保理に上げることさえ困難だったかも知れない。

 北朝鮮がこのような嘘を平気で流し続けるようなら、いずれ世界の人民に見放され、信頼を失う。「軍事・経済ともに世界の最盛強大国になる」などの目標は、その逆はあり得ても絵空事にすぎないことを知ることになるだろう。かといって、日本政府が脅威論と制裁一本槍で対応を人任せにしたまま、交渉の糸口にさえたどり着けないというのも、まことに芸のないことだ。

・関連過去記事
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_1e43.html
 

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» ロシア軍機IL20、北朝鮮ミサイル発射時日米レーダーの情報収集についてはこれを見ろ! [そよかぜむら通信]
北朝鮮が長距離弾道ミサイルを発射した際、ロシアの情報収集機IL20が日米両国のミサイル防衛(MD)システムの運用を偵察しちゃったことが分かったちゅうわ。 ロシア軍ガスマスクロシア軍機IL20は、北朝鮮からのミサイル発射時間帯の事前通報をもとに日本海で待機しちゃったようよ。 ロシア軍機IL20は、日米のレーダー網が実戦モードで照射した電波の周波数帯や、MD運用に伴う自衛隊各部隊の役割分担に関する情報を集めたとみられるちゅうわけよ。 日本海を舞台にした激しい情報戦の一端が浮き彫り...... [続きを読む]

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