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2009年4月 5日 (日)

ミサイル騒動顛末

 5日午前11時30分の北朝鮮テポドン発射は、4日付で上げたエントリー「杞憂」に書いた予定原稿通りになった。専門家でもないのに100%当てられたのは、「こんなことは、防衛大臣をはじめ政府要人ならだれでも予想していた」上での政治的キャンペーンと見なしていたからだ。

 この結果について当塾では非常に満足している。それは、予想が当たったからではない。まず、一部政府与党筋にあるナショナリズム刺激策、すなわち小泉・安倍政治の延長上にある現政権の強化維持の目論みが、4日のミサイル発射の誤報発表で、一挙に崩れ去ったことにある。

 当塾はそれを喜んでいるわけではない。防衛省や政府の情報管理のおそまつさ、中でも政府の自衛隊現場に対する認識や意思疎通に大きな隔たりがあることがはっきりし、世界に恥をさらすことになった。これが、日本の防衛政策を真剣に考える反省材料として働けば、決してマイナスではないということだ。

 その根源に、日本国憲法と現在の安保体制の矛盾があるが、今日は触れないでおこう。ただ、これを機会に、日本の安全を守るために、防衛政策や自衛隊員の自覚はどうあるべきか、国は諸情報をどう管理し扱うべきかを、与野党を問わずより真剣に考える機会としてほしい。

 次ぎに、マスメディアである。当初当塾は、政府の宣伝の尻馬に乗って北朝鮮バッシング、脅威論をあおる過剰報道を非難していたが、国土への落下が「杞憂」に終わったことで一転、軍事専門家を加えたミサイル知識の解説が増えてきた。

 これは、結果として日本の「爆破命令」がほぼあり得ない過剰防衛措置であることを証明することになったが、ミサイル防衛システムなるものを絵入りで解説し、国民に理解を与えるいい機会になった。その中には、本当にこわいのはテポドンではなく、日本を射程にいれたより小型のノドンである、といったテポドン発射以前にはあまり触れられなかった話もでてきた。

 テポドンと違って車に積んだままどこからでも発射可能なノドンは150発以上あると言われ、同時に打ち込まれたら半径20㎞ぐらいしか対応できないPAC3などでは到底迎撃できない。これに核弾頭を装備すれば、それこそ日本の都市を火の海にすることもできるが、田母神氏でさえ「北はそのようなことはできないし考えてもいないだろう」といった趣旨のコメントをしていた。
 
 また、今後のこれに対する安保理の対応などに議論が及んでいるが、世界の感心が集まる中東和平やアフガン対策、新オバマ政権とNATO各国、ロシア、イランなどとの協調・話し合い路線の中での北朝鮮対応のあり方をどう考えるかなど、拉致問題に特化しがちな日本の議論に突破口を開く機会になれば、この「ミサイル騒動」も決して無駄ではなかったということになる。

 相手がどこであろうが、議論がまっとうに行われれば、決して対決や交戦にはいきつかないはずである。
 

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