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2009年4月18日 (土)

見放された北朝鮮

 韓国の有力紙「朝鮮日報」電子版に北のミサイル発射に関する次のようなコラムが載っていた。すこし前に「北朝鮮の虚言症」という記事を書いたが、国際的な反応として相通ずるものを感じ興味を覚えた。

 それは米国の民主党に強い影響力を持つブルッキングス研究所の朴善源研究員(Brookings Institution,Dr Sun-won Park)が、同研究所のホームページに発表した報告「平壌がまたも失敗、北朝鮮による3回目のミサイル発射と金正日の読み違い」を紹介したものである。

 この朴研究員の前歴がものすごい。前・盧武鉉政権では、統一外交安保戦略秘書官という地位にあった。つまり金大中政権以降続いた「太陽政策」を実現させるため、北朝鮮とコミットし関係を緊密にする役柄である。

 氏は1960年代生まれで、韓国では「反米運動第1世代」といわれ、ソウルの米国文化院占拠事件で身柄を拘束された体験も持つ。また、近くはマカオの銀行の金融制裁を解除するため、米政府とわたりあいブッシュ政権の関係者から「忌避すべき人物」との烙印まで押されたという。

 その朴氏は、まず、「オバマ政権はブッシュ政権とは異なり、米中首脳会談にも意欲的で、新たな関係の始まりに向けて北朝鮮に手をさしのべていた」のにもかかわらず、これを軽視し、安保理の議長声明に「待ってました」とばかり強硬な対応するに至ったのは、失敗だとしている。

 それは、日、韓、米が北朝鮮問題について強い連帯感を持つようになったこと、これまで国際社会の中で後ろ盾になって支えてきた中国とロシアに疑念を生じさせたことであり、核開発を続け6カ国協議を破棄するような道をとれば、「北朝鮮は永遠に不良国家として存続する以外にない」と結論づけている。

 身勝手な金正日時代がいつまでも続くはずがない。しかし今までのように東アジアに余計な不安材料を増産し、自滅への道をひた走るような愚を誰が是正するのだろうか。それとも、1951年に父・金日成が失敗した北主導の朝鮮統一をいまだに夢見ているのだろうか。

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

「北朝鮮の虚言症」という記事にも共通する話ですが、ピョンヤン放送や北朝鮮政府の発表(声明)は事実ではなく戦争プロパガンダの一貫で大本営発表である事は明らか。
他人から見れば『何故見え透いた強がりを』と考えるのは当たり前ですが、モノは考えよう。

全ての問題点は朝鮮戦争が未だ休戦状態で、完全終結していないことが影響している。
そして、完全終結は米朝二国間でしか解決しません。

今まで北朝鮮政権だけでなく、最期に残った冷戦構造で、アメリカや日本韓国などが一定の恩恵を受けてきたのも事実で、それで長らく低いレベルの戦争状態が続いていたが、此処にきて、どうもアメリカ軍は東アジアからは撤退する傾向にあるようで、朝鮮戦争の完全終結も視野に入っているようです。
遅かれ早かれ早晩、近い将来に最終的な朝鮮半島の戦争状態が終わると思います。

ただこの記事を読んだ人が前の盧武鉉政権や金大中政権が親北朝鮮であった様に誤解するのでは有りませんか。?
朝鮮日報に限らず韓国の有力紙はハンギョレ新聞を除き、軍事政権の後継政党のハンナラ党支持で、中立では有りません。
現ハンナラ党もかっての軍事政権のような軍事的な強硬論では無く、政策的には前政権とそれ程の違いは有りません。
盧武鉉前政権とハンナラ党との違いは、後ろ盾が新興財閥か、既存の有力財閥化の違い程度ですよ。
前政権も親北などではなく軍事政権時代の思想弾圧法令は殆んど改正していません。
それで今でも韓国では北朝鮮の国旗を持っていたり発言を紹介しただけで処罰される準戦時下です。
北朝鮮の06年のミサイル試射に対して即座に前・盧武鉉政権は軍事偵察衛星を打ち上げて対抗しています。
この時は余りに素早いので南北で打ち合わせて緊張感を高めたのかもしれませんが、それなら今回のミサイル騒動と同じですね。

投稿: 逝きし世の面影 | 2009年4月19日 (日) 14時19分

こににちは

<朝鮮戦争が未だ休戦状態で、
 この考えは当ブログでも再三強調してきました。金日成ならば大日本帝国と闘ったバルチザン戦?まで含めて。しかし冷戦終結からでさえ遠い過去になった現在では若い人の実感から遠くなったように思えます。
 軍事的な厳しい対立、これも最近の韓国では太陽政策の影響もあり、日本とは違う同朋としての信頼観もかいま見えます。つまり不気味なカオス状態に呻吟しているといいますか。
 孫さんの報告というのは、そのような韓国人の複雑な心境が率直に表れています。盧武鉉、李明博両政権に大きな本質的な違いがないというのはその通りで、誤解を与えるようであれば訂正します。
 アメリカのキューバ政策同様、外交政策は急に変えられるものではありません。しかし一方で金賢姫を公開の席でしゃべらせるなど、どこかが変わりつつあることは否定できないでしょう。

 また、三大紙が保守系であるのは知っていますが「だから」といって、「親日新聞」などと決めつける向きがあるようですが、反日よりはいいと思います。

投稿: ましま | 2009年4月19日 (日) 17時48分

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国連安全保障理事会は13日午後、北朝鮮のミサイル発射を非難する議長声明案を全会一致で採択した。 麻生首相は「強いメッセージが出せた」と自画自賛していたが、肝心の中身は“もうひとつ”だ。 声明には「北朝鮮による発射を非難する」「北朝鮮がさらなる発射を行わないよう要求する」といった文言が並んだ。強い表現と書くメディアもあるが、発射の主体がミサイルなのか人工衛星なのかについては、触れていない。 また、「違反」にあたる単語も、日本は「violation」という強い表現を求めたが、最終調整でニュアンスが弱い... [続きを読む]

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