猪、鼠に変身(小沢代表)
昨日(25日)小沢代表は、秘書の起訴を受けて記者会見した。自らの進退について「国民の皆様のご意向によって……」と言い、自ら判断しないことの言い訳とした。涙までにじませ、これまで国民に印象づけられてきた豪腕、壊しやぶりはどこえやら、濡れネズミのようなみじめな姿を見せてしまった。
これではとても自公から政権を奪取し、明るい前途をになう総理大臣の力強さを感じさせる顔ではない。民主党に進んで投票しようという意欲も半減してしまう。小沢代表に元気がないのは「国民の皆様」の意向ではなく、党内の事なかれ主義に支えられているからだ。
今日の各新聞の社説は、次の見出しのように珍しく一致して続投に疑問を呈した。
日経:小沢氏続投は有権者の理解得られるか
産経:公設秘書起訴 小沢氏続投は通らない
毎日:小沢氏秘書起訴 代表続投は説得力に欠ける
読売:公設秘書起訴 小沢代表続投後のイバラの道
朝日:西松献金事件―小沢代表は身を引くべきだ
中日:小沢民主党 けじめのつけ時誤るな
その中で、はっきりと辞任を迫っているのは朝日と中日、それになぜか産経である。産経は自民を擁護するなら、自民党内にある「小沢留任の方が戦いやすい」という声に従うべきであった。各新聞が歩調を揃えているのは、すでに世論調査で小沢不信の結論が出ているからである。
国民は、検察の強引さや不公平なやりくちの方にも目を向けている。民主党はそういった反応をもって、同党へのダメージが緩和されていると判断したのではないか。もしそうなら政治のプロとして甚だ甘いと言わざるを得ない。
当塾は、事件報道直後から小沢辞任を主張した。検察が手出ししたからにはあくまでも然るべき成果を得るまで手をゆるめない。今後も、ゼネコンや小沢周辺から出る情報を操作し、民主党をじり貧に追い込むことも不可能ではない。
民主党には有力な後継候補がいない、というプロの見立てがある。しかし、一般国民にその責任はない。あくまでも党内で「国民に納得が得られる」党の顔を選ぶべきだ。国民が納得する人材とは、自民の亜流でなく、違いをはっきり出せる人、党内結束が図れる人、バランスある国際感覚の持ち主ということであろうか。
それが難しいようなら、小泉・安倍路線への回帰がない条件での大連立でも仕方がない。いずれにしても国民は現在の閉塞状態にはあきあきしているのだ。
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コメント
気弱な地上げ屋 さま
はじめまして、ようこそ。
民主党には、いろんな人がいます。それは別にかまわないんですが、当時の若手で政治家になりたいけど自民党に空席がなく、新党ブームに乗って新進党などにたかって望みを果たして、今じゃちょっとした顔になって自民党に色目をつかっているような手合いは大嫌いです。
それならば、まだ小沢一郎の方がまだマシです。
投稿: ましま | 2009年3月25日 (水) 20時22分
反戦塾様
私は、小沢代表の涙を初めて見ました。
仲間や支援者からの多くの励ましの声が頭をよぎり、感極まったのでしょう。
優柔不断な阿呆のことです。
決断できずに9月ぎりぎりまで行く公算が高いと見ております。まだ、時間があります。執行部は戦略を練り直し、反転攻勢を掛けるべきです。
毎度のことながら、昨晩の常任幹事会で、本籍:自民党、現住所:民主党みたいな京都の方角の人が、「了とはしない」なんてTVカメラを前にして言ってましたね。
何とか、足を引っ張りたい、と言う気持ちが顔に出ていて、見苦しい限り(笑)でした。
最も不快なのは、選挙区をしっかり歩きもしないくせに「代表が辞任しなければ、選挙が戦えない」などとのたまっている輩が、
元NHKおばさん、ほか数名いることです。
「風に乗って飛んできた票に乗っかって当選」してきた人にとっては、死活問題かもしれません。
誠に情けないことです。
投稿: 「気弱な地上げ屋」 | 2009年3月25日 (水) 17時16分