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2009年3月 2日 (月)

「小沢安保」を示せ

 民主党・小沢代表の安全保障発言が波紋を呼んでいる。それはこれまでの国連中心主義とは違う表現で、アメリカと協力しながらも言いなりになるのではなく、独自の防衛能力を持つべきだとうということである。

 部分的に当塾の考えと符合する点はあるが、茶飲み話のようで詳細や真意はわからない。自民党の若手が、暴論だとか無知だといっているが、議員になって40年、自民党幹事長を務めてから20年、単なる思いつきではないだろう。

 それより、いまだに反共安保から抜け出せない自称「保守政治家」の方が、よほど頑迷固陋といえそうだが、それを指摘した上、より明確な民主党政権としての安保政策を明示すべきだ。その要点は、文末に書いたとおり、やはり憲法と海外派兵の問題だろう。さらに平和構築外交の進め方も知りたい。
 
 当塾では、カテゴリ「安保」を設け、過去12回にわたるシリーズで論じてきた。その中で戦後の安保体制を次のように段階をつけて分類した。その中でブッシュと歩調を合わせた「小泉安保」がいまだに尾をひいたままで総括されていない。自民党と政権を争うなら「小沢安保」をまず国民の前に明らかにすべきだろう。

【安保の変遷】------------
1.吉田安保(旧安保条約)
  講和後の軍事的空白を埋めるため米軍基地を維持することが、日本の共産化をくいとめる日米共通の利益であった。そのため行政協定などは一方的、従属的内容で期限の定めもなかった。

2.岸安保(新安保条約)
 冷戦はエスカレートし、核競争や地域の代理戦争も激化。岸首相は、軍事色を薄め経済条項を加えた条約案を、日米対等という体裁にして締結した。有効期限10年であとは自動更新となる。日本の安全と極東の平和という適用範囲と、憲法手続きに従う旨を明記している。中曽根元首相のいう「浮沈空母」の時代。

3.橋本安保
 ソ連崩壊という事態で安保に対する環境がかわったにもかかわらず、条約はそのまま。アメリカの世界一極支配を目指して軍事同盟を維持する、というナイ・リポートを踏まえたガイド・ラインで、「周辺事態法」など特例法・特措法で条約の性格を変える。

4.小泉安保
 9.11同時多発テロ後のブッシュ路線で橋本安保にはずみをつけ、米軍再編計画(ロード・マップ)の一環として米軍との一体化を進める。国民保護法や防衛省設置など軍創設のための足場を整え、安倍内閣で改憲への道筋をつける。なお、この時代から「日米安保」ということばが消え、「日米同盟」が一般化した。
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 さて、オバマ政権と話し合う「小沢安保」の要点は何になるだろうか。思いつくまま上げてみた。

1.安保条約破棄は過激すぎる。せめて、憲法解釈でからみあった糸をほぐすため、橋本安保、岸安保の線まで戻すか。
2.憲法改正問題にどう対処するか。9条厳守、専守防衛を保証できるか。
3.自衛隊海外派遣にどういう条件・制約をかけるか。
4.日米協力のありかた。(集団的自衛権・基地・共同研究・核・武器輸出など)
5.軍縮・平和外交・アジア共同体方針など。

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