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2009年3月 6日 (金)

“しきたり”と小沢代表

 「しきたり」は、2字熟語にすると「慣例」である。漢字では「仕来たり」とか、「為来たり」と書くようだ。しかしこの言葉の語感は、「それが賭場のしきたり」とか「やくざのしきたり」というふうに使うとピッタリくる。

 西松建設の迂回献金にかかわる民主党・小沢代表の記者会見の発言を聞いていてそんな言葉を思い出した。お断りして置くが、小沢代表がやくざなどという気はもうとうない。世間では、ばくちはよくないことという常識があるのに、「お上のお定め(しきたり)どおりでやっている。ちっとも悪くない」と言っているように聞こえるということだ。

 「今までおとがめがなかったのに、お代官のお調べは怪しからん」と息巻いても、庶民は喝采してみようがない。もう一つある。憲法の前文にある「平和を愛する諸国民」というのは、国連のことで、自衛隊を国連の親衛隊として海外派兵するのなら合憲、とするものである。

 そんな「しきたり」はないが、小沢氏は「学説がある」と言う。つまり都合のいい「しきたり」を採用して、これが正道だと主張する。一見、論理的に説明しているようだが、世間の常識にそぐわなくても気にしない。

 訥々とした語り口にかかわらず、こういった点が「豪腕」とか「強引」という小沢評を定着させたのではないか。彼が政治家になったのは40年も前、佐藤栄作首相の時代である。外交・安保政策であろうと、政治倫理のことであろうと、解釈基準が変化するのは当然である。

 民主党代表就任の際「ボクは変わる」と言ったそうだ。また、自著『小沢主義』では、「変わらずに生き残るには、みずから変わらねばならない」としている。しかし、そう言い続けることも彼の「しきたり」のひとつで、民主党が生き残るためために、彼自身が変る必要を認めていない。

 記者会見での説明や受け答えは、地元紙を含めて小沢代表に味方をしていない。このさき、ますます防戦一方の長丁場になるだろう。民主党にとって不幸なことは、変わるべき小沢代表が、モットーや期待に反して変わらないことと、党に対する不信感を増幅したことである。

 そうして、日本人に対して不幸なことは、政治不信を払拭するには、手垢のついた自公政権から野党に政権を交替させるしかないという期待感を裏切ったことと、民主主義に大きな後退をもたらす危険性があるということである。これからでも遅くない。直ちに仕切直しをしてほしい。

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コメント

そうやって自民を甘やかすとそれはそれで問題でしょう。その結果が今の社会の惨状ですし。

投稿: とり | 2009年3月 8日 (日) 18時21分

自民党が本当に恐れているのは、小沢さんが事件を受けて即刻辞任することでしょう。

そうすれば山岡さんも連帯責任。自民党はその倍以上責任をとらなくてはならない。国民は小沢さんの決断に拍手、決断先延ばしの自民は凋落一方となります。

そもそも、自民党の体質を引きずってきたのが今度の発端ですから、自民党がつけあがらないよう、幹部が一所懸命水をかけ、中には小沢さんのままで選挙したいといってる人がいることはご存知でしょう。

投稿: ましま | 2009年3月 8日 (日) 20時17分

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