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2009年2月26日 (木)

民主党の防衛政策

 自民党による「海賊対策新法案」の骨子案が決まった。これに対して民主党はどういう姿勢をとるのだろう。憲法や安全保障問題は党内の意見統一がはかれず、同党の泣き所とされてきた。それとは別に、ここに来て鳩山幹事長や小沢代表の意向が相次いで新聞に報道されていることに注目したい。

 その一つが鳩山氏は英語による講演で、もう一つは小沢氏は非公式の談話らしく詳しいことがわからない。一番詳しいのが「毎日」だが前者については、読売、産経などに記事(ネット検索)が見あたらない。これは、公約となるのかどうか、民主党の変化を示すものかどうか、参考までに末尾にその記事を引用しておく。

 当塾が注目するのは、断片的ではあるが当塾がかねて主張してきた外交・防衛政策に似た表現が出てきたことである。まず、鳩山氏がアジア共同体に言及していることである。これは、政界要人の発言としては、福田元総理、与謝野大臣に次ぐもので、日・中・韓間の連携をもとに、プログラミングの段階に来ているのではないか。

 当ブログに右派の方もよく見えるようだが、「共同体構想」について「大東亜共栄圏」再現などと同一視している向きがある。当ブログのカテゴリ「東アジア共同体」などを参考に、EUの歴史や発展をよく勉強しておいて欲しい。

 次ぎに小沢氏の発言であるが、かつての「国連中心主義」がかげをひそめ、米軍基地の大幅縮小と専守防衛を任務とする自衛隊の再構築(そのために必要なら予算も振り向ける)という点では、当塾にも同様な主張がある。↓ 

反戦・護憲論の行く手2
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-8a9f.html
反戦・護憲論の行く手7
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2008/11/post-b2bd.html
非武装中立の否定
http://hansenjuku.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-6619.html

 森本敏・拓殖大大学院教授が、在日米軍の海兵隊と戦略空軍の駐留が抑止力として必要、といったと言うが、敵前上陸したり長距離爆撃したりする部隊を置いておくのは明らかに憲法違反だ。だからこそ自衛隊が肩代わりできないのだ。抑止力として必要というなら核兵器もOKということになる。

 民主党が世界の新情勢を的確にとらえ、前原氏などの方向転換を確かなものとして新安全保障政策を確立しないと、田母神もと自衛隊幹部ばりの考えに距離を置く自民党内の防衛族に、先を越されることにもなりかねないだろう。 

■ 民主党の鳩山由紀夫幹事長は23日、アジアを中心とする海外投資家を対象に東京都内で開かれたセミナーで英語で講演した。「次期衆院選に勝利し、政権交代を目指す」と述べた上で、日米関係について「米国追従外交から国際協調路線へ明確な転換が必要だ」と表明。「アジア太平洋共同体」の実現を国家の新たな目標にする考えを鮮明にした。

 鳩山氏は「日米関係は何よりも大事な2国間関係だ」と明言。一方で「米国が(軍事面で)間違った行動をとり威信を失わないよう、日本は友人として率直な助言をしなくてはならない」と述べた。「日米同盟重視か国連重視か」の二者択一論を「間違っている」と否定した。【佐藤丈一】(毎日新聞 2009年2月24日 東京朝刊)

■ 日米首脳会談に合わせる形で、民主党の小沢一郎代表は25日、在日米軍削減論を重ねて示し、「対米追随脱却路線」を鮮明に打ち出した。次期衆院選後の政権交代をにらみ、「対等な日米同盟」の具体策として持論を強調したものだが、日本の防衛力強化にも言及。専門家からは「憲法改正が必要になる論法」との指摘が出たほか、野党内に困惑や警戒感が広がった。

 「グローバルな戦略を米国と話し合って役割分担し、日本に関係の深い安全保障面は日本が負担すれば、米軍の役割はそれだけ少なくなる」

 小沢氏は25日、大阪市で記者団に語った。そのうえで「米国のプレゼンスは必要だが、おおむね(米海軍横須賀基地に司令部を置く)第7艦隊の存在で十分だ。米軍が引くことによって日本の防衛に関することは日本が責任を果たせばいい」と改めて指摘した。

 小沢氏に近い民主党関係者によると、在日米軍の役割のうち「日本の防衛」に応分の負担をする分、「極東の安定」は第7艦隊で十分になるという意味だという。

 ただ、森本敏・拓殖大大学院教授(安全保障)は「海軍である第7艦隊だけでは抑止機能の一部しか果たせない」と指摘。「出ていった米軍の肩代わりを日本がするのであれば、再軍備を意味し、憲法改正が必要となる」と語った。

 こうした中、共産党の志位和夫委員長は「軍拡の道を進むことでイコールのパートナーになるのは間違った道だ。日本が軍事的な力を強めれば強めるほど米国は利用する」とけん制。社民党の福島瑞穂党首は「『第7艦隊で十分』の後が『日本でやる』か『基地縮小』かで意味が違う。軍備拡張には反対だ」と戸惑いを見せた。

 民主党の鳩山由紀夫幹事長は東京都内で記者団に「極東において脅威が増大している状況ではないという発想ではないか。日本の軍備増強という発想ではない」と語り、小沢氏の発言への理解を求めた。ただ、その一方で「将来ミサイル防衛網などをしっかり作れば、米国に頼らなくとも専守防衛の中で日本の安全を保てる」という持論も展開した。【渡辺創、古本陽荘】(毎日新聞2月26日東京朝刊)

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小沢代表:在日米軍削減論「当たり前の話しただけ」民主党の小沢一郎代表は27日、横浜市内で記者会見し、自身の在日米軍削減論が与野党に波紋を広げていることについて「ごく当たり前の話をしただけだ」と反論した。そのうえで「在日米軍の役割のうち日本の防衛に関係する部分は、できる限り日本が役割を果たせば、米軍の負担が少なくなり、それだけ在日米軍も少なくて済む」と改めて持論を展開した。 また、小沢氏が在日米軍削減論の中で言及した日本の防衛力強化に関連し、朝鮮半島や台湾有事などに自衛隊が関与する... [続きを読む]

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