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2009年1月23日 (金)

ドバイがヤバイ

 「ドバイがヤバイ」ある地方紙のコラムでこんな駄洒落を目にした。ドバイはUAE(アラブ首長国連邦)の中で面積は2番目だが経済大国である。日本の原油輸入もここからが一番多い。海を埋め立てて世界一高いノッポ・ホテル(宿泊料も高いらしい)や金融・物流拠点を槌音高く建設する光景は、TV映像でよく紹介された。それが今や閑古鳥が鳴く有様だという。

 アラビア半島の大部分はサウジアラビアだが、ペルシャ湾側には、クエート、バーレーン、カタール、UAE、オマーンなど、日本でいえば小さな島から地方自治体程度の広さの国がある。いずれも王様というか酋長というか特定の家柄が支配する国々である。

 いずれも、過去は沿岸貿易の拠点として商業で稼ぐか、海賊をなりわいとしていた。今は石油である。最大の埋蔵量を誇るサウジアラビアは、どちらかというと原油は売りまくらなくてもできるだけ温存しておきたい方である。しかし先行き枯渇すると見る国々にも、去年前半までの原油高でとうてい使い切れないほどのドルが舞い込んだ。

 砂漠しかなかった所へ、ポスト石油にそなえて、それこそ地域に不釣り合いな「国土改造」を始めたのだ。その頃から、ドバイはヤバイのではないかなあという気がしていた。別に経済分析や投資効率などを精査したわけではない。

 これは30年ほど前、知人の日本人ムスリムでアラビアで仕事をしていた人から聞いた話である。最初はカタール。

 石油輸出で思わぬ大金が入ってきた王様が何に使うか頭を悩ましていた。そこへやってきた商社マンはジェット戦闘機を買ったら、と提案した。王様は早速それに従ったが、さしあたり何に使うかのあてがない。そこで、お妃やお姫様たちを庭に集め、アクロバット飛行を見せてみんなで楽しんだ。

 ややガセっぽい話だが、次のサウジの話はありそうだ。

 真水に乏しいサウジでは、大規模な浄化装置を設備し、首都リヤドは緑に覆われ噴水までできた。王様は、次ぎに国民のために何に使うかを先進国の要人に相談した。要人は国民の大部分を占める貧しい遊牧民のために、リヤドに立派な集合住宅を作り、無料で住まわせて新たな仕事、例えば石油工場の運転監視などをさせてはどうか、といった。

 早速それを採用し、豪華マンションを作った。そして、遊牧民も入居したがしばらくするとみんな出ていってしまった。遊牧民にわけを聞くと「同じ場所にいるとゴミがたまり、よごれも出て不潔だ。それより砂漠の上のテントでも、次々と新しい場所を求めて新天地を開くのが砂漠の民ベトウィンの魂だ」といった。

 そういえば、リヤドで働くサウジ人は自動車運転手がほとんどで、石油工場の計器を朝から晩までにらんでいるような仕事は、インド人とかフィリピンなど外国人だという。ドバイも自国民は人口の20%しかいない。 

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