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2009年1月27日 (火)

原油価格のこれから

 このブログで「原油暴落の日」という記事を書いたのは、去年の5月31日である。その時がWTI価格で131.03/blドル、すさまじい高騰ぶりに、これはいずれ劇的な暴落になるぞという予感がした。

 アメリカでは既にサブプライム・ローン問題が取りざたされ、逃避した資金が商品取引に向かったという解説があった。また、原油価格の30~40%が投機資金によるもので、実勢価格は55ドル前後ともいわれていた。

 それをあざわらうように、7月3日、ついに145.29ドルの最高値をつけた。そして中国・インドの需要増、中東などの不安定をいいはやし、200ドル突破も視野に、などと予測する経済専門家もでた。しかし、これは供給力にフレキシビリティのある鉱物資源の特性や、波動する市場原理を無視したものといえよう。

 それが一転、昨年末には30ドル台、現在も45ドル前後を低迷している。いかに予想が当たったとはいえ、まさか100ドルも下がるとは思わなかった。もちろん100年に1度のリセッションが響いているが、またこれも将来を占うベースにはなりえない。

 昨年11月に、2008年版『IEAエネルギー白書』が発行され、例年のように価格予測が掲載された。それによると、2030年に122ドルとある。これは、2007年版から60ドル上方修正されているが、昨年のバブル価格が実績として上乗せされているからであろう。

 誰が予測するにかかわらず、不自然な投機の要素が加われぱ将来の予想など不可能としかいいようがない。湾岸産油国における井戸もとコスト3~5ドル、米国陸上における10ドル台後半から、バブルで見た145ドルまで、どの点でも取り得る。

 さらにどうしても石油系でなくては(今のところジェット燃料、石化製品など)という用途のためにいくら出してもという需要があれば、石油枯渇までに何百ドルでも出現するだろう。しかし上述の白書によるエネルギー需要の伸びは、06年から30年までの間年率1.6%と予測しており、そのような事態は当分なさそうだ。

 結論はひとつ。究極の原油価格は市場で決まるが、思惑やマネーゲームでは決まらない。エネルギーの需要、供給は自然現象ではなく、節約とか新技術、代替エネルギー開発そして市場の監視などで人為的に決まる、ということになれば、去年のようなことは当分起こらないだろう。

 これまでのこのカテゴリは、雑誌『石油文化』から求めた資料が多かったが、2009年1号を以て同誌の休刊が決まった。総合雑誌の不振休刊が続くが、57年間業界の指針となってきた同誌の休刊は、惜しまれるものがある。なお石油・エネルギー関連記事は、同名のカテゴリでご覧いただきたい。

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