「日本軽視」歓迎
外電には、現地と国内の意識や言葉のずれか、記者の感情にふたをするせいかわかりにくいことがよくある。タイの空港占拠デモなどもそうである。このたび裁判所で「首相が料理番組に出て謝礼をもらったのは違法で政治活動を禁止」という決定により、選挙で選ばれた首相が退陣、封鎖が解除されるようだが、それで誰が得をするのだろうか、大勢の人が何日も座り込みを続けた忍耐力はどこから来るのか、よくわからない。
今日はそのことではない。「同盟国」アメリカがオバマ大統領に替わることにより、日本の軽視が進むか、といったワシントン特派員のレポートである(毎日新聞12/3)。
オバマ氏は会見で「世界中で同盟の再建と強化」を推進する方針を示した。中国やロシアなど新興国の台頭に伴う国際秩序の流動化、温暖化問題、対テロ戦争の行き詰まりなど「地球規模の挑戦」は、「米国だけでは解決できない」(クリントン氏)との認識を強めているためで、日米同盟への影響も避けられない見通しだ。
オバマ次期政権の対日政策では、ブッシュ政権が推進した「日本強化論」が見直されるとの見方もある。ロンバーグ元国務省日本部長は超党派の対日戦略文書「アーミテージ・リポート」(00年)で提唱された「米英同盟のような日米同盟」を「地域の安定につながらず、非現実的」と切り捨てる。
ブッシュ政権では日本の集団的自衛権行使容認や国連安保理常任理事国入りなどを後押しし、強固な日米同盟を基軸に世界戦略を描いてきた。しかし、オバマ氏の外交顧問の間には「日本が嫌がることは強要しない」(ジャヌージ上院外交委上級スタッフ)との考えが強く、米外交の中国重視傾向が強まる中、日米の二人三脚による世界戦略がしぼむ可能性もある。
日本を重視するということは、どうやら「日本が嫌がることは強要」するというということだったらしい。これで小泉・安倍路線の化けの皮がはがされたようなものだ。麻生首相を含め、彼らはやはり「重視」し続けてもらいたいのだろうか。また、防衛族は「地域の安定につながらない」ことを望み続けるのだろうか。
また、軽視されると、かつての保護主義的なジャパン・バッシングになると困るという、財界などの思惑があるかも知れない。もうそんなのを頼りにする時代ではない。アメリカ発の原油高騰や大不況到来など、世界中が振り回され十分痛めつけられているではないか。
いかにアメリカ離れを達成するか、日本がもたもたしている間に、これが世界各国の重要な課題になっている。太平洋をはさんだ隣国・アメリカとの協力関係は重要だ。しかし上記のような「日本強化論」ならば、何も心配することはない。「軽視」こそ歓迎されるべき方針だ。
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コメント
ましまさん。お久しぶりです。
金融にせよ、安保・外交にせよ、オバマ政権は、いろんな面で、「お金が入用」になるので、日中双方に「土下座」してでも、縋る筈です、政治的な面目を保つ「レトリック」を駆使して。
やはりアメリカ様がこけてしまうと、今以上の無秩序を招くので、旧友も(ポチも)かなり梃入れするでしょう。そう思いません?
投稿: 三介 | 2008年12月 3日 (水) 20時49分
三介さま いらっしゃい。
<日中双方に「土下座」してでも、縋る筈です、政治的な面目を保つ「レトリック」を駆使して――
いや、そうするでしょう。その時、いままでと違って相当強気でものが言えるのではないですか。思いやり予算をけずるとか、海兵隊移転費を値切るとか。
麻生では駄目かも知れませんが、日本の財政赤字もアメリカさまご同様深刻ですから。
さしあたりは、アフガン増派費用の分担でしょう。自民にしろ民主にしろイラク空輸で浮いた分ぐらいは出すでしょうね。
投稿: ましま | 2008年12月 3日 (水) 21時41分
ましまさんこんにちは。
オバマ次期大統領は、アメリカの軍事費削減も言い始めたようです。
私が以前から観測しているように、アメリカの国民皆保険制度、内需の拡大には、軍事費を内政に回すしかないでしょう。この流れが良い影響を与えることを信じたいです。
投稿: 眠り猫 | 2008年12月 4日 (木) 07時09分
眠り猫 さま
いらっしゃい。
新聞にオバマ就任後100日が勝負だと書いてありましたが、議会関係ではブッシュよりややましで、党内基盤もまあまあ、外交もクリントン女史と衝突しない(と見ていますが)限り腕が振るえるでしょう。
問題は、国防省です。ネオコン的DNAが根強いとぐらつきますね。急には変えられないでしょう。
強いアメリカ指向はそのままでしょうが、経済政策はよくわかりません。
投稿: ましま | 2008年12月 4日 (木) 10時36分