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2008年12月29日 (月)

日・中協業 2

 同じ題の前回は、1300年も前のことを書いた。660年頃、日本と唐の間は一時的とはいえ、百済をはさんで最悪の関係にあった。『日本書紀』を執筆した中国人の一人続守言は、その頃百済から献上された唐人捕虜だという。

 『書記』が完成したのは720年で、続は700年頃には死亡したのか仕事から離れている。すると『書記』編纂の最盛期の10数年間、日中協業に精出していたことになる。捕虜というと、立場は拉致被害者のようだが、日本政府は「音博士」などの名誉とそれに見合う位階を与えて処遇している。

 さて今回は、一挙に現代に飛んで、「中国人民日報」に掲載された「中国青年報」の論文「日本がなければ改革開放は異なっていた」を(人民網)でチェックしてみた。内容は、トウ小平氏訪日(日中平和友好条約締結)30周年に寄せる形になっているが、その概要は次のようなものだ。

 オリンピックの開かれた今年は、中国の改革開放政策の30周年でもあり、今や国際情勢や世界経済と切り離せない存在となったが、この2つは、決して偶然ではなく日中の緊密な結びつきと、日本が果たした役割を肯定的にとらえている。

 トウ小平氏の訪日は、敗戦後の苦境から、わずか7年で経済水準を戦前の最高水準にまで回復させ、わずか25年で世界第2位の経済大国の王座に登り詰めたノウハウを学ぶ意味もあり、「私が今回日本に来たのは、日本に教えを請うためだ」「科学技術の発展における日本の進んだ経験を持ち借りたい」といった談話も紹介している。そして「日中協業」の成果を次のように指摘した。

 1人当たりGNPが約350ドルで、外貨準備高がわずか1億6700万ドルだった30年前の中国に、日本政府は500億円(2億2000万ドル)の円借款を提供した。日本は中国にとって最大の援助国で、中国が外国から受けた援助の66.9%、金額にして2000億元余りが日本からのものだ。これらは中国の鉄道・道路・港湾・空港などのインフラ整備、および農村開発・環境保護・医療・教育などに幅広く用いられている。日本側が中国に派遣した専門家は2002年までに1万2000人を超える。日中の貿易額は9年連続で記録を更新し、07年には2366億ドルを超えて、中国は米国を抜き日本にとって最大の貿易相手国となった。両国間の人的往来も延べ512万人に達した。

 また、これからの日中関係について「中国は日本の受動的な被支援国から日本経済の復活を促す国となった。日本経済が長期的な衰退と低迷から転換し、復活を成し遂げる上で、《中国要素》は重要な力となっている」と自信のほどを示している。

 この記事は、毎日新聞の「グローバル・アイ=中西恵」が紹介しているが、その中で「青年報は胡錦濤・国家主席が基盤とする共産主義青年団の機関紙。その論文が最も権威あると見られている人民日報のネットに転載されたことは論文が胡政権の考えを反映したものといえる」と評している。
 
 私がブログを始めた最初の記事が「反日デモ」であっただけに、この中国側の変化を「平和の礎」として歓迎したい。その点、「中国脅威論」から抜けきらない日本側の変化ははかばしくなく、政府の腰が定まらない外交戦略がもどかしくてならない。

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