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2008年11月 1日 (土)

反戦・護憲論の行く手 1

 「反戦老年委員会」の名で2年半、それを閉鎖してこの名で約1年、「反戦」を標榜したブログを既に3年半続けてきました。終りを決めたわけではないので、これからも続けようと思いますが、この間新たな見聞も増え、自分の考えも微妙に変化してきています。

 ここらで、一旦考えを整理しておくことも必要なのではないかという気がして、新シリーズをスタートさせました。しかし日々書き下ろすことになるのであくまでも結論ではなく、留め書きということにしておきたいと思います。

 最初のテーマは、
愛国心なくして反戦・護憲をいう資格なし

です。戦争論でよく見るのですが、国家があるから戦争が起きるという考え方があります。つまり国の体裁として軍隊があるのが当たり前(普通の国)で、それが動きやすいように(緊急事態を想定した)特別の法律を作り予算もつける、いわば公認の暴力装置を持つことから話は始まります。

 軍隊は、常に仮想敵国を決めておき、それに負けないよう人員や装備を調えます。そして新兵器(究極は核兵器)を開発し、日々訓練につとめます。こういった仕組みを作ると、その存在を無駄にすることはできません。機会があればいつか試してみたい、という気持ちがおきることは、かつて内部にいた人も告白しています。

 原爆やミサイルといった物騒なものは、国家がなければ作ることができません。国や国境がなくても小競り合いや殺し合いはあるでしょう。だけと非戦闘員が大量に意味もなく殺される近代戦のようなことは、文明が発達するにつれなくなるはずです。

 だから国をなくしてしまえ、というのが、戦前徹底的に取り締まられた無政府主義です。だけど人間は集団を作らないと生きていけません。村があり都市がありお互いに協力し合える単位としてやはり国は必要です。改憲派は「国民を守るために軍隊は必要だ」といいます。

 だから「自衛隊は違憲」などというと、「売国奴」呼ばわりする人がでてきます。美しい日本の伝統や文化を敵国に売り渡すつもりか、というわけです。日本の文化や伝統は長い歴史につちかわれてきたものです。これを守る上で、歴史を知り日本の良さに誇りを持つ、つまり改憲派以上の愛国心が必要なのではないでしょうか。

 改憲の自民党政権やアメリカべったりの政府は認めたくないという人はいるでしょう。しかしそれは誤りです。世界の中では誰がトップにいようと国は国です。また、国連決議があれば(どっかで聞いたことがありますね)という人がいます。国連だって国家の集まりで、決して公正無比の神様ではありません。

 最近は、NGOの活躍が目立つようになりました。その役割は高まりつつありますが、まだ補助的な役割が与えられているだけで、権限はあくまでも国単位です。しかし、国の枠組みを少しずつはずす試みは進められています。国境の壁をなくし、同じ通貨を使い、お互いの争いの種をなくしようという努力、そうですEUのような共同体です。

 昔は互いに憎しみ会ったフランスとドイツが戦争になることなど考えられなくなりました。なぜならば戦争の原因になるようなことを少しずつ取りのぞいていったからです。これを見て東南アジア(ASEAN諸国)。南米大陸、アフリカ、湾岸諸国などこれを見習おうという地域がどんどん増えています。

 しかし、それらの共同体も国家を解消しようということにはなってません。むしろそれぞれの国の特徴を守り抜こうという方向に行っているように見えます。愛国心ですね。英語でいうとパトリオティズム、つまり愛郷心に近く、ナショナリズム=国家主義という感じとチョット違うように思います。

 昨日(10/31)、田母神航空幕僚長が懸賞論文で「侵略戦争はなかった」などという見解を公表し、現職から更迭されるようです。今の憲法では自衛隊の身動きがとれないなど、上の観察そのままの発想です。しかも、その審査委員長が右翼雑誌の花形、渡部昇一上智大名誉教授、勧進元が安倍元総理との怪しい関係が取り沙汰された、安晋会の黒幕・アパグループだというから何をかいわんやです。

 新聞では同幕僚長が特殊であるような書き方をしていますが、そうは思いません。現場自衛官、警察官それに街角ネット右翼など、耳当たりのいい新国粋主義を支持する人は少なくありません。また、軍事評論家などの肩書きで、軍事雑誌にそういった意見を投稿している人も、多くは元自衛官でしょう。

 田母神論文の要旨は今までもよく聞く内容が繰り返され、驚くようなものはありません。しかし、そういったトレンド(小泉・安倍路線のような)を復活させないために、まっとうな歴史認識と愛国心は大いに磨こうではありませんか。

 

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コメント

「護」憲だけでは弱いというのは私も昔から感じていて,私もいろんなことを考えていて,それで自分のブログにも「効憲」というタイトルをつけています.
最近では「攻め」の姿勢もだいぶ広く見えてきていると思います.たとえば,ピースボート吉岡達也さんの「九条を輸出せよ」という本はそれを象徴するものだと思います.
実践面では,「非暴力平和隊」はまさに「九条輸出」の体を張っての行動だと思います.また,軍事に変わる国防の手段としては,「非暴力抵抗」の国家的組織化ということが真剣に考えられるべきだと思います.私は,反核運動における非暴力直接行動の話(ファスレーン365)をするときに,必ずこの問題に触れるようにしています.

投稿: yamamoto | 2008年11月 3日 (月) 20時20分

yamamoto さま
TBならびにコメントありがとうございました。
 シリーズは2回目まで書きましたが、「攻め」に関する意見(吉岡さんのはまだ読んでいませんが)は多くではじめているようです。政党がマニフェストにするのはいいと思いますが、さまざまなアイディアを要約・統一するのは困難だと思います。
したがって、原則だけ決めておきあとはできるだけフリーハンドを残しておいて、政治的結集にゆだねるのがいいのではないかと思っています。

投稿: ましま | 2008年11月 3日 (月) 21時01分

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