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2008年11月17日 (月)

反戦・護憲論の行く手9

自衛隊員が元気になる専守防衛(その3)
 金融サミット(G20)が終わり、各新聞は、アメリカが軍事だけではなく経済・金融の面でも一極支配の転換期にきていることを大きく掲げています。もっとはっきり言うと、ネオコンといわれイラク戦争などを演出してきた新保守主義者や、市場原理主義者を取りまきにしていたブッシュの「敗北」といえるでしょう。

 このさき、たとえビンラディンが死んだとしても、アルカイダが解散しても、もはやテロとの戦いでアメリカが勝利したとはいえない状態になっています。アメリカ人の中にはそう思いたくない人もたくさんいるでしょう。日本も敗戦直後は(いや、今でもかな?)、そうでした。

 最近はあまり聞かなくなりましたが、LIC(Low-Intensity Confict)という言葉があります。「低強度紛争」と訳されていますが、テロ、ゲリラ、民族・宗教紛争などをいい、冷戦時代にもありました。これは、第2次世界大戦、東西冷戦で、国家または同盟国間の覇権争を原因とする大量破壊兵器・科学兵器を駆使した近代戦が想定されていたあとの課題として、提起されていたものです。

 ブッシュの父親の時代、すでにこういった研究はある程度進んでいました。湾岸戦争でもクエートからイラク軍を駆逐したものの、さらに攻め込んで独裁者フセインまで打倒すると、この地域が混乱して手に負えなくなるという理由から自制されたといいます(加藤朗『現代戦争論』)。

 ブッシュ息子の失敗で、こういった研究はますます厚みを増すでしょうが、ポストモダンを否定し、東西冷戦で想定した、戦車・軍艦・ミサイルなどでドンドンパチパチやる近代戦争にこだわっている軍当事者や若者か多いようです。マンガの読み過ぎでしょうか。若者ならともかく、空幕長までそうだというのでは困ります。ブッシュ息子もそのけがなかったとはいえないでしょう。

 これからの戦争は、人類の生き残りをかけた、環境・自然災害・貧困・差別との戦いになるのではないでしょうか。自衛隊の国際貢献の場は、無限に広がります。ただし、そこに人民支配または紛争助長のための武器を持ち込むことは、逆効果になるでしょう。LICを含め、日本もまっとうな軍事研究は大いに進めてもらいたいものです。

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