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2008年11月25日 (火)

朝鮮・韓国10

 昨夕、1968年に静岡県寸又峡温泉で起きた、在日朝鮮人金嬉老による人質監禁事件について、TV特集番組がありました。朝鮮人差別について改めて考えさせられる内容です。その頃から見て差別は改善されているでしょうか。

 私はネットの世界などでは、より悪化しているように思えます。これには、北朝鮮による拉致問題の影響もあると思います。北朝鮮の一般の人に対して、蔑視する気持ちを持たない人が一体何人いるでしょうか。それを持ったままでは、いつまでたっても何も解決しませんし、将来の平和も期待できません。このシリーズを始めた理由がそこにあるという気持ちを、より強くしたドキュメンタリーでした。

変化の兆しを明治維新に見る

 慶応元年(1865)というと、幕府が長州征伐をしかけ、国内各地では打ち壊し続発など、内政でも外交でも幕府の弱体ぶりが露呈する時期です。そんなとき、香港の新聞が、「日本はすでに蒸気軍艦を80余艘ももち、近く朝鮮を征伐しようとしている」という趣旨の情報をのせ、朝鮮にも伝えられました。

 前回、吉田松陰の話をのせましたが、朝鮮の対日疑惑は高まるばかりです。幕府は翌慶応2年5月、朝鮮に対してその流説を公式に否定し、かつ朝鮮の幸福のために使節を近日派遣すると通告しました。朝鮮では、幕府がなぜにわかに使節を派遣するのかその真意を疑い、使節接待の用意ができないとの口実で、幕府の特使来航を拒絶しました。

 当時、朝鮮は侵入してきたアメリカ船を焼き払うなど、攘夷・徹底抗戦のかまえでした。幕府が間に立って仲介、実績づくりをしようとしたのかもしれませんが、大政奉還を目前にしている幕府では、その効果もたかが知れています。朝鮮にとっても迷惑でしかなかったでしょう。

 幕府の使者派遣を朝鮮から断られたまま、慶応3年(1867)12月、王政復古の号令が発せられました。摂政・関白・将軍らの官は、総裁・議定・参与にとって変わりました。微妙な立場にいるのが対馬の大名・宗家です。中世以来日本と朝鮮の間で双方の利益や体面を調整することで、特殊な地位を保ってきた家柄です。

 宗家の役柄は、朝鮮王朝に臣従することで釜山近くに「倭館」をもうけ、許可された範囲の貿易や日本との事務連絡に当たるというものでした。新政府も政治体制変更を伝えたいが、ルートはここしかなく、対馬藩にその任務を課したのです。

 その時の日本の文書に「皇」とか「勅」の字があり、朝鮮側が「この字を使えるのは清の皇帝だけだ」といって受け取らなかった話は有名です。対馬藩の使節は1年近く文書を受け取るようねばったが、応じてもらえませんでした。日本を宗主国・清と同列におく気はさらさらないということです。

 日本にしてみれば、長年にわたって将軍交替の折に朝鮮通信使が来朝、幕府に挨拶したではないか、それが天皇に変わったからストップするというのは、無礼千万と考えたのです。いわばどっちもどっちなのですが、この文書問題がなくても「征韓」の意思が日本国内にあったことは、木戸孝允日記などで明らかになっています。

 文書問題で国交が硬直状態になったため、政府は改めて朝鮮政策を確立する必要を感じました。そこで、明治2年(1869)12月、対馬と朝鮮へ4名の調査員を派遣することにしました。その調査項目は、従来の交際様式、独立の程度、ロシアとの関係、港湾や軍備の状況、内治や経済の状況などがあり、もちろん征韓論の可否をさぐるためでもあります。

 その調査項目の中に「竹島・松島が朝鮮付属になった理由」という注目すべき1項があります。松島というのが、いま領有権問題でもめている竹島のことです。ある人は、「日本側資料で現・竹島が朝鮮領であることを認めているではないか」と言いますが、「以前は日本付属だった」という裏があればこその話で、どちらが有利とはいえない資料です。

  調査報告は、即刻攻略すべしという過激なものと、順序をふんで正常な国交を結ぶよう説得し、それでもだめなら国際公法の権利を行使して攻撃するという2通りのものとなりましたが、どっちにしても征韓論を否定するものではありませんでした。

 このあと、明治政府の政策に反対の立場をとった西郷隆盛などのいわゆる「征韓論」がでるわけですが、一つ付け加えておきたいのは、米英当局や両国の商人は、日本が朝鮮や台湾を支配することは別として、日本の軍事攻撃により朝鮮を開国させることには賛成で、さかんにけしかけていた傾向が見られることです。日本兵を使って死の商人の利益を確保しようというハゲタカぶりは、許せるものではありませんね。

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