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2008年10月14日 (火)

守ってくれない

りょけん【旅券】外国へ旅行する者の身分・国籍を証明し、その便宜供与と保護を依頼する文書。発行者は外務大臣または領事。これを所持しない者は出入国を禁止される。旅行免状。パスポート。
     -----(『広辞苑』より)

 三浦和義氏(「元社長」というマスコミ流の呼称は不自然でどうもひっかかる)自殺の報道が各方面にさまざまな波紋をまき起こしている。同氏がサイパンで長期にわたる拘束を受けている時から理解できなかったことがあった。

 おことわりしておくが、同氏にかかわる過去の事件や裁判などについての知識や関心は、それほど高くない。特に週刊誌報道などの伝える周辺情報は知らないことが多い。わかっていることは、アメリカで起きたさまざまな疑惑は、最終的に日本で裁かれ殺人事件では無罪が確定したということである。

 この結果については、日米両国間で正規の手続きにより進められたものである。三浦氏は今や誰はばかることのない日本国民である。だから、善良な公民として出国を許可され、外国に「便宜供与と保護」を依頼した公文書を手にした。

 過去に疑惑があった人だからということで、政府が手を抜くことは決して許されない。日本にない共謀罪や20年も前の出来事に未公開の新証拠などという理由で勾留、ロサンゼルスまで[拉致]され、不審な自殺を遂げたのだ。

 この間、日本政府から身分の保全や長期拘留に抗議したとか、説明を求めたという報道を目にしたことがない。それどころか、中曽根弘文外相は「アメリカの法律に基づいてやっているので」というような我関せずの発言をしていた。

 三浦氏はアメリカから逃亡して日本にきたわけでなく、アメリカの保護領に密出国したわけではない。好ましくない人物なら入国拒否をすればいいのだ。また日本政府には日本人の保護義務があるのに、属領以下の無責任ぶりである。これでいいのだろうか。アメリカは日本人だからといって特別扱いをしない。

 北朝鮮のテロ支援国家指定解除も、拉致問題で日本の立場をふまえ、特別扱いをしてくれるのではないかという楽観があったのではないか。「価値観外交」などといって、居心地のいい「仲良しクラブ」外交をこのまま続けるととんでもないことになる。

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コメント

なんとも不愉快な事件の結末です。
ご指摘の邦人保護ですが、誰かが20年前の逮捕状でロシアや中国、ましてや北朝鮮に逮捕起訴されたとしたら如何でしょうか。?
とんでもないことですすよ。
それに今までにも何回もサイパンには旅行していた。
逮捕された2月時点ではイージス艦による漁船沈没とか女子中学生に暴行した米国海兵隊員とかが連続していて日米の『両国軍隊の体質』が批判に晒されていた。

巨大な事件では、証拠隠しぐらいは出来ても、今更無かったことにする隠ぺい工作は無理だが、事件の影響力を薄めることは簡単に出来る。

ロス疑惑が問題とされだした20年前も中曽根民活で国鉄の民営化騒動での前代未聞の国家による法律破りが行われていた。
しかしマスコミは国民にとって大事な話ではなく面白おかしくロス疑惑を報道する。

20年目の今回はもっと世界的で金融崩壊の真っ最中だが、しかしヤッパリ懲りずにマスコミはロス疑惑の顛末を報道している。不愉快の極み。

なにやら家族や弁護士は自殺を信用していない様です。謀殺を疑っているのか。?
サイパンの裁判所では殺人罪での起訴は無理で、付属の共謀罪だけの起訴で、新証拠が無いなら検察側の敗訴は有る程度予想されていた。
今までも無罪判決後500件以上の自己訴訟を起こして7割以上の割合で勝訴している。
彼は裁判事態が大好きで裁判を苦に自殺する訳が無い。逆にわくわくしていた筈だ。
反対に無罪になったら莫大な額の賠償金が予想されていた。多分数億円。
三浦氏の死で一番喜んでいる(ほっとしている)人達がアメリカには沢山いる。

投稿: 逝きし世の面影 | 2008年10月15日 (水) 12時15分

 三浦氏をめぐる事件はあまりにも不可解です。はっきりしているのは、メディアの格好な飯の種であるということです。
 西部劇のリンチを思わせるアメリカ独特の風土が関係しているのでしょうか。三浦氏の風貌がアパッチ族の老酋長に見えてきました。
 メディアはこのネタをもう追い切れないでしょう。またその根性もないでしょう。

投稿: ましま | 2008年10月15日 (水) 13時36分

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