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2008年10月24日 (金)

株と原油と相場

 前にもふれたが、当ブログの過去記事「原油暴落の日」への検索件数が依然として多い。それはそうだろう。今年7月3日につけた最高値145.29ドル(WTI)が、このところ70ドル前後になってしまい予想が当たってしまったからだ。

 当ブログの前身「反戦老年委員会」までさかのぼって、原油価格高騰関係の記事を探してみたところ06年4月21日が最初のようだ。そこには「遂に73.5ドルをつけた」と書いてある。それから約1年2か月かけて倍額近くになったのを、たった3か月余で元に戻したのだから暴落といっていいだろう。

 ことのついでに、失われているログの2編を再録し、9編ほどある関連記事を新カテゴリ「石油・エネルギー」として整理した。それらを振り返って見てすべて当たっているとはいえないが、実際の需給を無視した相場はいずれ妥当な額に戻すこと、あと何年あるかという可採年数は、原油価格、採掘・精製技術、代替エネルギー開発などにより変動するものであること、などの基本的な要因は変わっていない。

 それに、アメリカ発の金融不安の逃避先として上記の要件を顧慮しない安易なマネーの流入であるとすれば、ちょっとしたきっかけで暴落するともの思っていた。しかし3か月前は、中国・インドの需要急増とか、油田枯渇の日が近いような論調で200ドル突破は目前、といった予測が多く、楽観論の私は肩身が狭かった。

 一方の株の方である。世界同時金融不安・世界同時景気後退は原油暴落より深刻である。原油高価格を予想した論者は、もっぱら原油暴落の理由をこのせいにするだろう。私は石油については以前の職業に関連があるが、金融・経済については全く素人である。

 そこで、毎日新聞福本容子記者が今日のコラムに書いたこんな話題を提供したい。

 79年前のきょう、ニューヨークの株価が、取引開始直後に暴落した。世界大恐慌の始まりともいわれる「暗黒の木曜日」だ。
 東京日日新聞(現毎日新聞)の1面記事によると、あまりにも激しい下げ方だったので、証券取引所の仲買人12、13人が気絶し病院に運ばれたという。

 アービング・カーンさんは株のトレーダーとして働き始めたばかりだった。102歳の今も株関係の仕事をしている大恐慌の生き証人だ。そのカーンさんがBBCのインタビューで「あのころに比べ、今はマシもいいところだ」と断言していた。

 「でも、みんな不安がってませんか」。インタビュアーが聞くと、「違う。派手な見出しで悪い悪いと記事を書いて目立ちたい記者がおるだけだ」ときっぱり。「今は恵まれすぎ。全く甘えきってしまったもんだ」(以下略)

 経済部のベテラン記者である福本さんは最後に、――厳しい景気は続きそうだけど、平常心を失い恐怖の奴隷になるのが一番危ない。軽々しく「大恐慌」などと言うなかれ――としめくくっている。福本さんはそれ以上のことを言っていないが、カーンさんの記者批判は、メディアの本質を鋭く突いている。

 犯罪報道の扇情的な私的周辺事情暴露、劇場型政治への同調と追従、個人であろうと団体であろうと国家であろうと特定対象に集中した非難中傷報道など、至る所に見られる現象である。これが行き過ぎるといつのまにかファシストにとりこまれ、熱狂的昂奮の中で戦争へ突き進むなどという愚を犯すことになるのだ。カーンさんの教訓は重い。

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