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2008年10月29日 (水)

爆弾かかえる公明党

 公明党は、長く続いた自民党との蜜月時代がこのところ怪しくなっている。創価学会と自民党の政策基盤が違っても「それ、首相にかけあって見ます」ポスターでわかるように、支持者である学会員は、与党であることに大きな価値を認めている。それを維持するために、公明党は最大限の精力を費やしてきた。

 しかし参院選の敗退、安倍、福田内閣の不人気が続き、このまま座視すると与党の席からすべり落ちることを覚悟しなければならない。そこで、学会に不人気なテロ対策法案の3分の2可決に難色を示したり、予定にない減税の補正予算を押しつけて福田政権を追いつめ、麻生人気に乗って選挙に優位な自公体制を築く心づもりだった。

 早期解散は、その仕上げに欠かせない絶対要件である。だからテロ対策法案の3分の2可決もあえて煮え湯を飲む覚悟をし、選挙態勢もそれに合わせた体制づくりをした。ところが大きな見込み違いが同党を襲った。麻生人気は上滑りで予想を裏切り、その上100年に一度といわれる世界経済危機の波に飲み込まれた。

 せっかく総理の座を射止めたのに、在任最短記録を作りたくはない。経済危機は千載一遇のチャンスとばかり、麻生が解散を先送りしたくなるのは人情だ。おまけに創価学会は、「それも仕方ないか」という意見のようで、なにかはしごをはずされた感じになっている。

 以前から、公明党の早期解散要望の裏に来年7月の都議会議員選挙があるといわれている。一方、衆院選戦は任期満了の来年9月までにしなければならない。公明党は選挙運動に全勢力を割くため都議選と衆院選にできるだけ間隔をとりたいという説明になっている。

 ちなみに、都議の現有勢力は自民48、公明22で自公計で70、民主34、共産13、その他8である。前回の知事選のあと民主が野党化したため、国会以上に与党に重きをなしており、党の存亡をかけた選挙になる。127の過半数を維持するためには自公で5人以上減らすことはできないのだ。

 自民党は、石原人気の賞味期限をすこしでものばしてそれにすがりたいようだ。しかしいかにお人好しの都民でも、石原構想で作った「新銀行東京」のずさん経営で、本年度一般会計の補正予算935億円のうち約6割にあたる540億円を死に体になった銀行救済に投じ、おまけに暴力団がらみの5000万円融資詐欺事件まで発覚したとなれば、不問にはできないだろう。

 都立墨東病院が関連する妊婦たらいまわしによる死亡事故でもそうだが、まるで幼児がふてくされてでうような、「ボク悪くないもん」といった責任逃避発言ももう聞きあきているはずだ。民主党は選挙戦術で銀行設立に賛成したことを率直にわび、知事の責任追求にまわれば、自民の看板も神通力を失うことになる。

 もちろん公明党も、知事支持で創価学会員の協力を得られるかどうか疑問となるだろう。そうすると、公明党は衆院選で作戦失敗の爆弾をかかえ、都議選でも別の爆弾を抱えることになる。しかもその爆弾は片方が爆発すれば、残ったもう一つも容易に誘爆する性質のものである。政界再編劇を含め選挙対策や党運営に太田代表が取りうる選択には、これからも神業的なテクニックが必要となるだろう。

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