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2008年10月 8日 (水)

アフガン情勢

日本は孤立のウソ

 幾多の国々はアフガニスタンへの関わりを、むしろ増やそうとしております。この時に当たって、国際社会の一員たる日本が、活動から手を引く選択はあり得ません。
 民主党は、それでもいいと考えるのでしょうか。見解を問うものであります。

 これが先月末行われた麻生首相の所信表明演説の中味である。最近、アフガン情勢をめぐっていろいろなニュースが入って来るようになった。それらの情報は、首相の演説以前から断片的に報じられていたが、首相の分析はますます的はずれなものになっている。まず、その一例を引用する。

【欧州総局】5日付の英紙サンデー・タイムズ(電子版)は、駐アフガニスタン英軍最高司令官がイスラム原理主義勢力タリバンとの戦闘について「我々はこの戦いには勝てない」と悲観的な見方を示したと報じた。

 カールトンスミス司令官はインタビューで「英国民は決定的な勝利を期待すべきでない。その期待値を下げることが必要だ」と主張。「我々の戦いは、アフガン軍が対応できるレベルまで(タリバン勢力を)弱めるのが目的。タリバンが交渉の席に着く用意があるなら、それこそが戦闘終結に向けた前進だ。国民も不愉快には思わないだろう」と述べた。

 駐アフガン英軍部隊は現在、南部ヘルマンド州を中心に約8000人が展開。01年の駐留開始以降、英兵の死者数は100人を超えている。同紙によると、ヘルマンド州知事は「英軍が展開しているのに、タリバンは州の半分以上の地域を支配している」と指摘した。「毎日新聞」(08/10/6 東京夕)

増派は米仏だけ
 NATO 諸国で最もアメリカびいきのイギリスでさえそうだ。ドイツをはじめ各派兵国があとずさりしていることはたびたびニュースで紹介されている。外務省はアメリカ政府以外の情報は無視するのだろうか。麻生・元外相のオツムもその程度らしい。

 現在、NATO主体のISAF(国際治安部隊)約4万8000人のうち半分近くの2万2000人が米兵で、さらに5700人を増派、フランスも800人規模の追加を決めた程度で、他は縮小の機会をねらっている。アメリカもそれを知っているから、代わりに米軍増派費用の170億ドル(1兆7300億円)出せと各国に圧力をかける方針だ。

 モレル国防総省報道官は、「戦闘部隊の派遣に消極的な国が貢献できる分野の一つだ」と恩着せがましくいっているようだ。テロ特措法が通らず洋上給油中断にでもなれば、日本政府はまっ先にそれに飛びつくだろう。オバマ大統領候補もアフガン増派は公約の中に入っているから当選すればご祝儀にもなる。

 しかし、アメリカ発の世界恐慌寸前の経済危機に見舞われている各国が、スンナリこれに応じるだろうか。脅かせば通るといった、ブッシュ流がいつのまにか張り子の虎になっていることに、アメリカ人はおそかれ早かれ気づくことになるだろう。

再びタリバンの国へ
 現在のカルザイ政権は、金も力も国民の支持もないアメリカの傀儡政権である。しかし最近は、イスラム原理主義の武装勢力、タリバンと本格的な和解交渉をするため、同勢力の最高指導者オマル師との接触に成功し、すでに交渉に入っているようだ。

 政権側は、武装解除と女子教育の容認の条件を出し、アルカイダなど外国人武装勢力との交渉をしない態度をとっているという。タリバンはアメリカの侵攻を受けるまでアフガンを支配していた。イスラムの戒律には厳しかったが汚職を一掃し、麻薬生産に依存する経済を改善するなど、一定の国民の支持があった。

 アメリカは、タリバンがアルカイダやビンラディンをかくまっているとして電撃的な侵攻を開始してから7年がたったが、今も9.11の首謀者とされるビンラディンは捕まっていない。オマル師も当然犯人隠匿の罪で追求の対象だった。

 オマル師は一時死亡説が流れたことがある。どうもアメリカの謀略情報の疑いが強い。生きていたとすればそれだけでアメリカの「負け」が印象づけられる。ハリリ・アフガン副大統領は「支援国の中には(タリバンと)戦え戦えという国があるが、受け入れられない」と暗に米国の姿勢を批判している。武装解除には応ずるはずがないが、アメリカの要求に違いない。

 それはそうだろう。アメリカの敵はアルカイダとタリバンである。タリバンを敵から除外したら何のためにアフガンに侵攻したか、理由がなくなる。それではこれから増派する目的は何だろう。タリバンとの和解をめざす現政権であっても、これを崩壊させるわけにはいかない。

 米軍増派は国民の反米感情を高めるだけだが、米大統領は「なにもかにも全部失敗でした」とは言えない。もう一つの理由はパキスタンに潜伏するアルカイダを徹底的にたたきのめすことである。しかしそれには国境を越えて隣国に攻め込まなければならない。

 これはもう始めているが、パキスタン国民はもとより、政府も猛反発している。国境を越えた軍事行動は、国連の存在を頭から無視している。パキスタンは建国以来ヒンズー教国のインドと対立している。安全保障上は、以前のように反対側の隣国、アフガンが強固なタリバン政権の方がいいのだ。

 こう見るとアフガンの出口は全く見えない。アメリカに率先資金協力をしようという行為は、アジアの西端に位置し比較的親日的な両国が、東端に位置する日本を敵視する要因を招くことになる。民主党は小沢理論は棚上げにして、日本の外交に今何が必要かを正面から与党にぶつけることで、自民党とは外交でどこが違うかを鮮明にしてほしい。

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コメント

イラクへ米軍を増派して武装勢力の攻撃が鎮静化したとのブッシュ政権やマケイン候補の話は大嘘で実体はアメリカ軍に抵抗していたスンニ派武装勢力10万人と和解?して掃討する替わりに米軍が給料を払うようになったので治安が安定した。
イラク駐留アメリカ軍司令官がアメリカ議会で『勝利できない』みたいな発言をしていますね。
現場の軍人達の方が余程冷静に物事を見ています。
2年早く始まってアフガン戦争はイラクよりも悪いらしい。
イラクのスンニ派武装勢力と同じ様に一部でタリバンを雇って給料を払っているようですが、空からアメリカ軍が爆弾を落として市民を殺していては水の泡。
空からアフガン市民を殺しているアメリカ軍に日本は給油している訳です。日本の国際貢献とは人殺しの手伝いでとんでもない話ですよ。
ニュースでは今でも米軍がアフガン武装勢力を何十人殺害したと平気で伝えているが、現地のパシュトーン人の男は誰でもみんな例外なく武装しています。
武装勢力うんぬんは全く意味が有りません。

投稿: 逝きし世の面影 | 2008年10月 8日 (水) 16時24分

英国の司令官が口走ってしまった<「タリバンが交渉の席に着く用意があるなら、それこそが戦闘終結に向けた前進だ。国民も不愉快には思わないだろう」>の最後のくだりがすべてを物語ります。

 撤収するためには勝つことが必要で、見栄です。意地です。日本の中国戦線もそうでした。それで陸軍が計算もできずに米英戦に突っ込んだ。

 いい体験を持っているはずの日本政府が、どこまでアメリカにつきあうつもりですかね。

投稿: ましま | 2008年10月 8日 (水) 17時40分

オバマは、アフガンからは撤退しないと言っているようで、残念です。

投稿: カーク | 2008年10月 8日 (水) 20時25分

カーク さま
やっぱり「国民を不愉快にさせない」ことが必要なんですね。

投稿: ましま | 2008年10月 8日 (水) 21時04分

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