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2008年10月17日 (金)

「老」の字

 日頃拝見させていただく「狸便乱亭ノート」さんに、「一句鑑賞」という投稿があった。なんでも俳句の先生から、「老」と「孫」の詞は使うな、という指導があったそうで、以来忌みことばのような扱いをされていたらしい。

 私は、「老」についてはやや見解を異にする。なぜならば、このブログの前身に「反戦老年委員会」という名をつけていたからだ。ベトナム反戦の頃の「反戦青年委員会」をもじったものであることはたしかだが、別にそんな活動をしていたわけではない。

 また、韓国では「老」がいまだに権威を持ち続け、消極的、否定的な意味で使われることがすくないと聞く。儒教に権威のあった江戸時代、幕府では最高執政官が「大老」で、「老中」や「家老」があり「老」は尊称だった。

 漢和辞典を引くと、いい意味が半分、残りは悪い意味と中立が半々のように見えた。その私も「老人」という言葉は好きでない。なんとなく(人)種差別をするような響きがあり、老年や老齢とはすこし違う。できれば「老成」とか「老熟」を目指したいものだと思っている。

 保険制度で問題の「後期高齢者」には「老」の字が入っていない。しかし具体的な実年齢を、差別するために持ち込んだので天下をあげての不評判になった。桝添厚労大臣の右往左往ぶりは、決して「老練」ではない。

 私は考古学ファンなので、「後期古墳時代」などという言葉にはなじみがある。しかし、そのあとは「終末期古墳時代」なのである。それを判定する学者先生は、別に西暦何年以前・以後などと区切っていないし、およその時期にもいろいろな意見があって一定していない。

 保険制度を全くもとに戻せというのは、混乱に輪をかけることになり、いいのか悪いのか判断に苦しむが、やはり、政策目標の根幹、方向性が見えない限りいつまでたっても改善に向かわないだろう。自民党と民主党の若手政策担当が「中福祉・中負担」で意見一致したとどこかで見たが、どうも迫力に欠ける。

 ここは、故池田首相の「所得倍増」ではないが、「高成長・高福祉」または「高負担・高福祉」を目指すとうたいあげた方が、国民を奮い立たせ、経済回復にもいいのではないか。若手政治家に「老獪」はあっても「老成」は不要である。老婆心ながらつけ加えておこう。
 

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