ホームレスの生活
大阪の個室ビデオ店で15人の焼死者が出る惨事があった。放火犯人は生活破綻による自暴自棄からだ、と報じられている。マンガ喫茶、ネットカフェなどともに、こういった店が簡易宿泊所として機能していることを、実は長い間知らなかった。
かつての、日雇い労務者のいわゆるドヤ街の方がまだ暖かみがある。それより悲惨な、ウソで固められた施設である。テレビで見る民間刑務所の方が何十倍も快適そうではないか。これならば、懲役刑希望者がでてもおかしくないと思った。
ここに来て、このような貧困ビジネスが広がりをみせているという。その例に、2畳に満たない個室にパソコンを置いた机と座椅子、洗面台があるという点まではネットカフェと外見上同じだ。違うのは1時間300円、24時間1500円の時間貸し制である。
また、サービスとして30日分を支払えば住民票がとれるようにしたり、郵便物受け取りもできるようにもしてある。過酷な労働につく人も日銭が入る場合は、割高になってもこの方がいいようだ。だけど生活から離れたウソはますます高まる。
一方で3日、最高裁は、大阪市の公園でテント暮らしをするホームレスが、公園を住所とする住民票の転居届け受理を拒まれたことについての上告を棄却した。1審では認められた主張が高裁で逆転し、最高裁がそれを認めたものだ。
最高裁小法廷は、原告が都市公園法に違反して不法にテントを設置し公園の水道を使って生活していたという点をとらえて、原告敗訴としたものだ。最高裁は憲法の番人である。基本的人権を定めた憲法22条、同25条を読み返してほしい。
たしかに、22条には「公共の福祉に反しない限り」とある。そのために、都市公園法などという端末の法律にこだわり、憲法の本旨である大原則、住居の自由や生存権に正面から目を向けなかったようにとられても仕方あるまい。このところ立法、行政それに司法まで劣化しているような気がしてならない。
憲法
第二十二条[居住・移転・職業選択の自由、外国移住・国籍離脱の自由]何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
第二十五条[国民の生存権、国の社会保障的義務]すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
②国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。
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