« 「老」の字 | トップページ | 朝鮮・韓国 5 »

2008年10月18日 (土)

即位礼20年を祝日に?

 「毎日新聞(08/10/17)」のベタ記事である。

 超党派の「天皇陛下御即位二十年奉祝国会議員連盟」(会長・森喜朗元首相)の設立総会が16日、開かれた。来年11月12日に天皇陛下が「即位の礼」から20年を迎えることを記念し、その日を1年限りの祝日とする法案を今国会に議員立法で提出することを決めた。顧問に民主党の小沢一郎代表、公明党の太田昭宏代表、国民新党の綿貫民輔代表らが就任した。

 共産党と社民党は、呼ばれなかったのか、断ったのか参加していない。念のため「即位の礼」で天皇がどう宣明されたかたしかめておこう。

 さきに、日本国憲法及び皇室典範の定めるところによって皇位を継承しましたが、ここに即位礼正殿の儀を行い、即位を内外に宣明いたします。
 このときに当り、改めて、御父昭和天皇の六十余年にわたる御在位の間、いかなるときも、国民と苦楽を共にされた御心を心として、常に国民の幸福を願いつつ、日本国憲法を遵守し、日本国及び日本国民統合の象徴としてのつとめを果たすことを誓い、国民の叡智とたゆみない努力によって、我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与することを切に希望いたします。

 憲法遵守を誓われたのである。この限りにおいて社・共は反対する余地がない。ただし、何のために1日だけ国民の休日にするのだろう。皇室儀式の何年目に当たるから国をあげて奉祝の休日にしようなんという前例は聞いたためしがない。

 いや、そういえばありました。太平洋戦争開戦の前年、昭和15年の「紀元2600年奉祝」である。休みがあったかどうかまで覚えていないが、臨時の物資特配(北朝鮮のようだね)があり「祝ひ終わった、さあ働こう」といって戦争遂行にハッパをかけたのだから多分休みもあったのだろう。

 上記の奉祝計画は「9条の会」を目の敵にする右派連合の「国民会議」が提唱していたし、「日本は天皇中心の神の国」の問題発言で有名な森元首相が会長の議連であれば、そのねらいはだいたい察しがつく。やはり改憲して戦前のレベルまで引きもどす準備として、休日を設け国民を引き込みたといういことであろう。

 そもそも、実際の即位から2年近くもたって行われた即位の礼は、10日あとに行われた神事の大嘗祭とセットになっており、天皇家の私的儀式である。このような宗教的な色合いの強いものを国家・国民の休日にすることにはもともと批判があったし、政教分離の憲法の精神にも反する。

 タイトルに?をつけたのは、今上天皇が護憲宣言をされた日を、改憲派の人が主導して奉祝しようという逆転の発想と、こんな前例無視の突飛な意図にやすやす乗ってしまう民主党代表の無原則ぶり、戦時中天皇の名のもとで弾圧を受けた創価学会をバックにする公明党の健忘症ぶりである。

 いずれにしても、こんな根拠薄弱で問題含みの公休法案は党議拘束などかけず、議員の良識をもって葬ってほしい。なお、今上天皇が遵守を誓われた現行憲法の前文、第一章天皇、第二章戦争放棄まで、日本の歴史や伝統に照らして最高のものと信じているが、これについてはいずれ稿を改めよう。 

|

« 「老」の字 | トップページ | 朝鮮・韓国 5 »

憲法」カテゴリの記事

コメント

それにしても、どうして神の国 発言の愚鈍な森元首相にいつまで付き合わなければいけないんだ。あれは何年前の話だったろう。小澤一郎の限界も見え隠れするが、憲法に象徴天皇をうまく滑り込ませた
無反省な戦争責任者たちのことを忘れるわけにはいかない。休日作って益々天皇を担ぎ、またぞろの世界へ引き込むつもり魂胆だろう。あの森バカ殿に付き合ってる程国民にはそんな暇はない。ましてこの
大恐慌寸前のときに。まこと破廉恥な首相ばかりである。

投稿: kamonohashi | 2008年10月20日 (月) 00時29分

ご声援ありがとうございます。
右のほうの方を含めてもうすこし反応があると思ったのにさっぱり。
マスコミの無関心ぶりもさることながら、やっぱり休み(休めるのは役人・先生・エリートホワイトカラーぐらいだと思いますが)が多い方がいいのですかねー。世の中退化が早いです。

投稿: ましま | 2008年10月20日 (月) 07時10分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/468248/24579547

この記事へのトラックバック一覧です: 即位礼20年を祝日に?:

» 一刻も早い解散を [老人党リアルグループ「護憲+」ブログ]
衆議院の解散時期を廻って与野党の駆け引きが激化しているさなかに、金融危機に端を発してアメリカの株価が大暴落し「親亀こければ小亀もこける」と日本始め各国の株価も暴落、景気の先行き不安が全世界を覆っています。 第一次世界大戦後の国際協調路線を崩すきっかけとなった1929年の大恐慌と異なるのは、いち早くG8のみならず中国、インド、ブラジルなど新興国もその対策に乗り出したこと。グローバル化した経済の下では、他国の危機を対岸の火事と傍観することは許されなくなった証です。    経済音痴の私にも感じられるのは... [続きを読む]

受信: 2008年10月20日 (月) 09時56分

« 「老」の字 | トップページ | 朝鮮・韓国 5 »