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2008年9月29日 (月)

舌禍事件

 今は「失言」というらしいけど「口は禍の元」、「舌禍」の方が言い得て妙。大臣の「失言」では、意味が浅く味わいのない言葉になる。本塾では、それがどういった話の流れの中で話されたのか、そして正確であるのかどうかがわからず、これまでも賛否の判断をつけかねる事例がすくなくなかった。

 毎日新聞に「閣僚の主な失言とその内容」という一覧表が出ていたので、今回の中山国交相の件を付け加えて文末に転載し、総論として思いついたことを書いてみたい。これらを見るといずれも閣僚として軽率、無自覚な発言で、追求を受けても仕方あるまい。

 しかしこの中で、事実を無視した勉強不足や、他人からの受け売りで自らの考えのないものがある一方、言い回しや発言の時期・場所がよくなかっただけで、一面の真理をついており、弁護したくなるものもある。それらを1、2上げてみよう。

 まず「日本は単一民族」である。これを民族でなく人種といえば大枠でまちがっていない。アイヌはかつて異人種と見られていた時代もあるが、近世になってからの差別で異民族扱いされただけで、日本人の先祖を構成するというのが学者の多数意見だ。先住民族ではあるが異人種と誤認させるのはよくない。

 次ぎに以前にも触れたが「原子爆弾はしょうがない」である。戦時体験のある者は、当時の日本への原爆投下は、多くの国民が悲惨な犠牲になるという事実を「戦争だからしょうがない」と思っていた。日本が先にこれを発明していれば必ず使っていたはずだ。

 一覧表にはないが、麻生氏もかつて「核兵器についての研究はしてもよい」などといったような記憶がある。私も同感である。日本が核や核兵器の知識がなければ、どうして核軍縮の先頭に立てるのか。核施設の査察や放射能物質処理などという国際的な要請にも応えられない。

 最後に、「植民地政策で日本はよいこともした」は事実に反していない。公共投資や教育制度などである。同一化政策の是非とは別に、韓国や台湾の併合と共に史学者が研究対象とすべきことがらであろう。ただし、中国侵略否定や南京事件不存在など、歴史修正主義者でも疑問視するようなことを口走るのは、知的素養を疑われても仕方がない。超エリートコースを歩んで閣僚にまで登りつめた人の発言とは到底思えない。

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中山成彬国交相 08年9月 辞任
(成田空港の拡張が進まない原因)ごね得
日本は単一民族国家
日本の教育のがんは日教組だ、解体しなければいけない

太田誠一農相 08年9月 辞任
(汚染米問題で)じたばたしていない
同 上 08年8月 謝罪
消費者がやかましい

鳩山邦夫法相 08年2月 謝罪
(鹿児島県の志布志事件について)冤罪と呼ぶべきではない
同 上 07年10月 釈明
友人の友人にアルカイダ

麻生太郎外相 07年7月 謝罪
アルツハイマーの人でもわかる

久間章生防衛相 07年6月
原爆投下しょうがない

柳沢伯夫厚労相 07年1月 謝罪
女性は生む機械

鴻池祥肇防災担当相 03年7月 謝罪
犯罪者の親は打ち首

越智通雄金融再生委員長 00年2月 辞任
金融監督庁の検査がきつかったら言ってください

江藤隆美総務庁長官 95年10月 辞任
(日本の植民地政策に関し)日本はいいこともした

桜井新環境庁長官 94年8月 辞任
侵略戦争の意図はなかった

永野茂門法相 94年5月 辞任
南京事件はでっちあげ

中西啓介防衛庁長官 93年12月 辞任
半世紀前にできた憲法に、後生大事にしがみつくのはまずい

奥野誠亮国土庁長官 88年5月 辞任
(日中戦争について)日本に侵略の意図は無かった

藤尾正行文相 86年9月 罷免
日韓併合は韓国にも責任 

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