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2008年9月26日 (金)

小泉氏の引退

 久々のサプライズ、小泉純一郎が放つ男の美学。彼の得意満面が見えるようだ。ついでに安倍晋三、福田康夫も見習ったらどうか。そうすれば森喜朗も恥ずかしくて残れなくなるだろう。

 あわれをとどめるのは、彼の蜂起を期待し、嬌態をりまいていた小泉チルドレンたち、そしてすでに地に落ちたネオコンやネオリベの旗頭となることを期待し、失地回復を夢見た連中だ。その中には民主党の前原陣営も加えられるだろう。

 もはや、50人から100人の集団としてまとまる可能性は望むべくもない。小泉発の政界再編はなくなった。「赤城の月も今宵限り。離ればなれになる門出」の酒盛りを、中川昭一の新保守研究会あたりで催したらどうか。

 今時珍しい男・小泉純一郎。ところが画龍点晴を欠くというより、すべてを台無しにするひとことが加わった。秘書で息子の進次郎を後継者にするというのだ。日本の総理でただ一人、握手を交わした金正日にあやかりたいとは、こりゃーまたいかに、開いた口がふさがらない。

 当ブログが最初に小泉手法に危機感をもったのは、旧バージョンの「反戦老年委員会」を始めて間もない05年夏の頃である。「ヒトラーの宣伝術」を『わが闘争』から引用をして、警鐘をならして注目をいただいた。

 その後小泉劇場という言葉で代表されるような政治手法が蔓延し、いまだに続いている。そして、小泉打倒の姿勢を鮮明にしたのは、靖国参拝を彼の意地で押し通し、中国の対日感情を緊迫化させることで日米のネオコンに勇気を与えるようなことが、国益に反するという明確な判断をしたからである。

 「ヒトラーの宣伝術」は、すでにネット上にないので、小泉元首相へのはなむけとして、以下に再録する。

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ヒトラーの宣伝術

 さきに書いた「ヒトラーと歴史教育」に続けて、現在の小泉流宣伝と比較する意味で「ヒトラーの宣伝術」を『わが闘争』から引用する。

宣伝はすべて大衆的であるべきであり、その知的水準は、宣伝が目ざすべきものの中で最低級のものがわかる程度に調整すべきである。(中略)宣伝の学術的な余計なものが少なければ少ないほど、そしてそれがもっぱら大衆の感情をいっそう考慮すればするほど、効果はますます的確になる。しかしこれが、宣伝の正しいか誤りであるかの最良の証左であり、若干の学者や美学青年を満足させたどうかではない。

宣伝の技術はまさしく、それが大衆の感情的観念界をつかんで、心理的に正しい形式で大衆の注意をひき、さらにその心の中に入り込むことにある。これを、われわれの知ったかぶりが理解できないというのは、ただかれらの愚鈍さとうぬぼれの証拠である。

宣伝になにか学術的教授の多様性を与えようとすることは、誤りである。大衆の受容能力は非常に限られており、理解力は小さいが、そのかわりに忘却力は大きい。この事実からすべて効果的な宣伝は、重点をうんと制限して、これをスローガンのように利用し、そのことばによって、目的としたものが最後の一人まで思いうかべることができるように継続的に行わなければならない。人々がこの原則を犠牲にして、あれもこれもとりいれようとするやいなや、効果は散漫になる。

 こういった宣伝術を使ったもう一人の独裁者に、毛沢東がある。いずれも多数の民衆の心をつかむ、という点で民主主義に立脚しているという姿勢がとれる。しかしその宣伝術が多くの犠牲者を生み、ついには破綻に至ったことを、歴史の教訓として心にきざむ必要があると思う。

(2005/8/21)

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コメント

はい。小泉に引退おめでとう。慶賀に存じます。でも
まだ小泉を有難がる輩失礼方々は意外と多い。特に
馬鹿な若者達に多いと想像する。それも30代40代
にO多そうですなあ。まだと言えば私も含め天皇陛下
を崇める輩は恥ずかしいかなもっと多い。80代から
20代まで再度言おう。私も含めてと。あの五年間の
小泉のあえて言おう。功罪含めて私的には功三.罪七
はと。言っておこう。自分の財布自分のまわりをみて
から物言えばいいのに、年収はおそらく6割の人が年々減っているはずだ。それでも小泉は良かったというのだからこれはほとんど大概自己を知らぬ世間を知らぬ歴史をしらぬ世界を知らぬ大バカ野郎間抜けとしか言いようがない。だから賢くなろうお互いに。60年も同じ政権権力をまだ続けてほしい。とおっしゃるかいやあ。もうこの辺で変えるしかないでしょう。それこそ小泉に愚息よ。他選挙区から出でよ。ならばきっとおやじ馬鹿親父を超えれるというものだろう。歌舞伎役者じゃあるまいし。オバマ小浜は黒人だそれを見習え小泉SUN.よ。小泉さ~~~ん。あばよ。5年間の失政。わかものよ。落しまえつけてやれ。
左様。60年あなた方の政権お疲れさま。もういいよ。次期政権は小澤にかける。三年ですぶれりゃああ
それでも。いいよ。ええ。いいじゃん。一年しか持たない政権だったもの。それも二回。三年もてば恩の字
じゃんん。ねえ。期待はしないけれどとりあえずの自公政権よりは好いだろうし。松下塾の輩よ。楽だよな
あんたら。劣悪政権の後釜なんだもの。頑張れ民主党
ってところです。しゃああないやないか。で投票します。

投稿: かものはし | 2008年9月28日 (日) 16時54分

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