終戦記念日と各党
終戦記念日に当たって、各党は党首談話または、党声明を発表している。毎日新聞に掲載されているが、ごく短いものである。そこで他紙に同様な記事掲載がないかと探したが見あたらなかった。オリンピック報道に埋没したとはいえ、世界に戦争の火種が絶えない現在、平和政策がよそ事のような扱いをされるのは残念だ。そこで、毎日紙による発表内容を全文掲載する。
自民党 世界に目を向けると、無差別テロ、民族・宗教対立による地域紛争などが多発し、多くの犠牲者が生まれている。国際社会の中で、わが国の責任ある立場を自覚し、日米関係を基軸に置きながら、国際貢献を積極的に展開し義務を果たす。国際貢献の象徴である新テロ対策特別措置法の延長問題は積極的に議論を進める。平和構築を目指し次の世代に安心、安全な社会を残せるよう全力で取り組む。
民主党・小沢一郎代表 わが国自身が「敵を峻別(しゅんべつ)して殲滅(せんめつ)する」という力の論理にはまりつつある状況を見るにつけ、平和への道が見失われるのではないかと危惧(きぐ)する。民主党は歴史と正面から向き合い、教訓と反省を未来の平和につなげる。
公明党 核兵器の非人道性と残虐性を世界に訴え、核廃絶へリーダーシップを発揮していくべきだ。憲法の恒久平和主義を堅持し、世界がテロ、貧困、飢餓、紛争、感染症などの脅威から解放される「人間の安全保障」確立こそが進むべき道だ。
共産党・市田忠義書記局長 政府は、米国のイラク侵略などに追随し、海外派兵恒久法の制定まで狙っている。戦後日本の出発点に背き、世界の流れに逆行している。わが国を憲法の平和・民主の原則に沿って世界に貢献する国にするため全力で奮闘する。
社民党・福島瑞穂党首 平和憲法堅持によって私たちは他国民からの信頼を獲得した。その価値の大きさを改めて認識すべきだ。憲法9条改定をもくろむ憲法審査会の始動やインド洋での給油活動、海外派兵恒久法に反対する。
国民新党 現在の平和と繁栄は、先の戦争における尊い命の犠牲の上に築かれていることを心に刻み、二度と戦争への道を歩んではならないと決意する。
新党日本・田中康夫代表 第二次世界大戦の歴史を語り継ぎ、米国のキッシンジャー元国務長官が昨年来提唱する「核兵器のない世界」の実現に向け、その使命を全身全霊で尽くす覚悟を誓う。
以上の範囲内で単純比較・短評を試みよう。
☆党声明の形をとっいるのは自民・公明・国民新党であり、他は党首などの談話としているが、党声明だから党内の見解が一致しているとは限らない。特に自民党については微妙な変化があるので、後述する。
☆日米同盟(国際貢献)に言及しているのは、自民・共産のみ。ただし両党の立ち位置は、共産が「世界の流れに逆行」とするように、全く逆評価。
☆テロの文言は自民と公明が使っているが、自民は(戦う)対象、公明は(防止すべき)対象のようにとれ、ややニューアンスが違う。
☆核兵器廃絶は公明党・新党日本がうたう。お題目だけならすべての党に共通するはずだが、実現への大きな一歩が踏み出せないのは、政治の怠慢なのか意図的なサボタージュなのか。
☆憲法問題は社民党・共産党だけが堅持をいう。とくに社民にとっては「おはこ」だが、いつもいうように「反対します」だけで、それを具体化するプログラムがないと完全に聞き流されてしまう。
☆歴史に学ぶことは、民社党・新党日本が言及する。その中で民社党は「敵を峻別(しゅんべつ)して殲滅(せんめつ)する」という力の論理」というのは、安倍内閣まで続いたタカ派勢力を暗示しているように見える。前原一派とは違った小沢理論の展開につながるのかどうか注目。
☆最後に自民の内容だが、これは小泉・安倍時代そのままで「安心、安全」のスローガンを付けただけで新味がない。昨年6月、安倍内閣当時に行われた福田氏の講演内容や、今日行われた戦没者追悼式の福田首相式辞ともおもむきを異にする。福田路線は、むしろ小沢代表の論調に近さを感じる。今回の「党声明」は、麻生幹事長の路線を示すものなのだろうか。
福田総理大臣戦没者追悼式式辞(抜粋)
今日、一部国際社会の情勢が不安定を見せる中、一国だけの利益を追求しようとする風潮がないとはいえません。その中にあって。私たちは、いま一度不戦の誓いを新たにし、平和協力国家として国際社会の先頭に立ち、世界の恒久平和の確率に向けて、積極的に活動していくことを誓います。
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