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2008年7月 3日 (木)

中東和平と日本

 昨日2日、都内の外務省飯倉公館である会合が開かれた。集まったのはイスラエル、ヨルダン、パレスチナ自治政府の閣僚級要人である。新聞の扱いは地味で、アサヒ・コムでは探してみたが見つからなかった。

 これは、ヨルダン川西岸の開発プロジェクト「平和と繁栄の回廊」構想の具体化に向けた3回目の打ち合わせである。2年前、小泉首相が中東歴訪した際に提案したもので、いわば小泉政権からの置きみやげである。

 置きみやげにもいろいろあり評判の悪いものも少なくないが、この外交プロジェクトは中東和平へのささやかなステップとして是非成功させるよう願っている。計画の概要は、ヨルダン川西岸を中心に農業用水や道路、そして物流基地などのインフラ整備を行い、関係3国の経済協力を通じて、和平プロセスを実現させていこうというものである。

 EUのスタートが、争いの絶えなかったフランスとドイツの間に始まった石炭と鉄鋼の共同事業化であったことはよく知られている。双方の利益を追求しながら次第に壁を取り除いていく手法は、日中間の戦略的互恵関係でも考慮されている。

 意義があるのは、アメリカでもEUでもなく、キリスト教国でもイスラム教国でもない、手のきれいな「平和憲法」を持つ国が仲介するということである。もっとも、これまで日本の外交姿勢は、「対米関係の文脈から離れた日本の中東政策はあり得ない(外務省幹部)」というものであった。

 また、左翼陣営の中には、日本工営という会社が参画することなどをとりあげ、植民地主義的進出だとか、帝国主義荷担だとかと批判する人がいる。これには理論の飛躍があり、ためにする議論としか見えない。あるいは過激派ハマスの立場を代弁したいというのだろうか。

 そのハマスは、イスラエルとの間で結んだ停戦協定が先月19日に発効、現在実行されている。相互不信はそのままで、解決への道のりはまだ遠い。かつてハマス幹部は、日本の記者に「日本は、対話の一歩を踏み出したい重要国だ」と語っており、大衆の憎悪の対象になったことのないことをあげていた。

 これから、何らかの形でハマスを日本主導のプロジェクトに参加させることはできないものだろうか。今は、アメリカ一辺倒の小泉・安倍外交から福田外交に変わったのだ。もしそういうことが可能になり、世界でどこもできなかったことが、日本の手でできたらどんなにすばらしいことだろう。

 それには、日本国民やマスコミがもっと中東に目を向け、日本の平和外交に大きな声援を送る必要がある。

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