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2008年7月15日 (火)

地中海連合に注目

Map1  13日、パリにEU加盟国と地中海沿岸諸国43カ国の首脳が集まり、「地中海連合」創設首脳会議が開かれた。大いに注目される点は、シリアとレバノンの関係改善が進捗しそうなことと、フランスのサルコジ大統領の仲介で、パレスチナ和平に希望が持てそうになったことである。

 参加したオルメルト・イスラエル首相は、現状を「かつてないほど合意達成の可能性が近づいている」とまで言いきり、具体的な和平構築へのステップを踏もうとしている。ガザ地区を支配する過激派・ハマスとの停戦協定はすでに1カ月継続しており、このチャンスは失いたくない。

 洞爺湖サミットにくらべて報道量はきわめてすくない。しかし、日本の進路を占う上で決し見逃せないニュースである。中東和平の実現は楽観できないにしても、身動きのとれない国連、さらに米英・アングロサクソンのイニシャティブが明らかに後退し、ブロック連合が安全保障の前面に出てきたことである。

 何でも「俺が、俺が」でなければ気が済まなかったブッシュ大統領も、北朝鮮は中国にまかせ、中東はフランスに任せるということになれば、これからひとり、イランで事を起こす蛮勇は振るえないだろう。私は究極の安全保障として、前から「東アジア共同体」を夢見ている。

 ASEAN+3もいいだろう、オーストラリア・インドもいいだろう。しかし地政学的軸として日・中・韓の持つ経済力を無視できない。将来的には一体化した北朝鮮、台湾も含めるべきだろう。過去の大東亜共栄圏や五族共和などとの違いは、EUがそのいいお手本になっている。

 レバノンとシリアのかつての宗主国はフランスである。その一方、イスラエルを含むパレスチナ、ヨルダン、イラク、クエート、それにアフガンもイギリスの支配を受けた地域である。イギリスの植民地が広大だったこともあるが、際限なく紛争が続く。フランスやEUが旧植民地にどれだけ説得力をもてるか、これからを期待したい。

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 6月2日にエントリーした「『プレカリアート』社会への怒り」に、愚樵さんからのコメントを受け取った。  愚樵:「正直申しまして、いまどきマルクスや『蟹工船』のようなものが読まれている現実に戸惑っています。また『ロスジェネ』も読んでみましたが、こちらにも違和感は感じてしまいました。  現在の日本にプレカリアートに分類される人たちが大量発生していることは事実でしょうし、彼らの怒りを私とても共有できなくはない。ですが、怒りの矛先がずれているのではないかと感じるのです。  プレカリアートを生み出してい... [続きを読む]

受信: 2008年7月15日 (火) 14時14分

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