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2008年7月 9日 (水)

アフガンへは丸腰で

 福田首相は、サミットで自衛隊のアフガン派遣を他の首脳からせっつかれていることはないか。大いに気になるのは、ねじれ現象緩和のためこれを小沢民主党代表との話の糸口にしかねないからだ。欧米各国が「日本だけアフガンへの貢献をしていない」とせっつく理由ははっきりしている。

 ビンラディンは何年たっても逮捕できない、イラクも手が離せない、そこでアフガンをNATO軍に肩代わりしてもらいたいというのがこれまでの経緯だ。ところが、治安回復の目途もなく戦死者が増える一方で、欧州各国内でもさすがに評判が悪い。できるだけ治安のいい場所、本音をいえば早く引き上げたいのだ。

 アフガンのカルザイ政権も外国軍がいなければ持ちそうもないし、いたらいたで、タリバンなど武装勢力の攻撃をかわすことができない。隣国パキスタンとの国境の無政府状態は、パキスタンの政情不安定で改善の目途が立たっていない。

 欧米は生き血を吸う最後のババを日本につかませたいのだ。この前、高裁判決がでたイラク以上の「交戦地域」である。福田首相は、恒久法検討などで時間稼ぎをしてお茶をにごすしかない。その間に、「新憲法制定促進議員連盟」などが息を吹き返すチャンスとばかり暗躍するのだろう。

 それ以前に、イラクやテロ特措法の延長問題がある。これも3分の2採決で時間稼ぎするつもりか。どうしてもアフガンへ自衛隊を行かせたかったら、攻撃兵器を一切もたず迷彩服やミリタリールックもやめて、丸腰の平和構築、民政安定活動に専念すべきだ。それで犠牲者がでたとしても、それはあらかじめ覚悟した上ということになる。

 そういったことで、NGO「ペシャワール会」の中村哲医師がいう「自衛隊が来れば活動を一時中止して引き上げざるを得ない」という状況を回避できるのかどうか、はなはだむつかしいと言わざるを得ないだろう。要はアフガン人から見て、たとえそれが国連組織であれ「軍」という暴力装置を国内に持ち込んでほしくない、ということにつきる。それが必ず抗争中の一方を利することなり解決を遅らせるからだ。

 日本の過去の戦争は、すべて邦人保護とか権益保護、あるいは暴徒鎮圧などの名目で外国に派遣した軍隊がきっかけを作っている。大量虐殺、テロリスト逮捕、独裁政権排除、理由はなんであれ現地から望まれないことには手出しすべきではない。現地のことはまず現地で、どうしても緊急なことがあれば周辺国連合、さらに国連という手順を踏むべきだ。日本に直接関係のない国に、日米同盟とか集団的自衛権を利かせようというのは、どう見ても時代遅れといえよう。

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