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2008年7月10日 (木)

「SからSへ」とシーファーGo home!

 洞爺湖サミットが終わった。私はかねて福田首相の外交手腕、つまり平和構築には欠かせない国際問題に関する知識と調和の精神が発揮されるかが、日本の首相としてふさわしいかどうかの試金石になると主張してきた。

 私が得られる情報は、購読紙の毎日新聞とNHK・TVのニュースが主なのでそれをもとに考えてみた。サミットが成功かどうかというより、まず警備過剰とはいえ平穏無事に閉幕できたことだけでも評価したい。

 22カ国もの首脳を集め、環境・石油・食料・貧困・物価・金融・安全など、どれひとつとっても解決方法を直ちに見つけることの困難な問題に、この程度の結果しか出せないことは最初からわかっていた。その中でとにかく環境問題で一定の方向性を導けたことをもって、「よし」としなければならないだろう。

 毎日新聞の政治部長・小松浩の解説にあった。

私たちは今、富める国も貧しい国もなく、共通の「脅威」にさらされている。国家単位のセキュリティー(安全保証)のSから、人間一人一人のサバイバル(生存)のSへ。問われるのは国境を越えた「人間の安全保障」への連帯である。「SからSへ」は米ブルッキングス研究所のカルロス・パスカル副所長がサミット前の論文で提唱した視点だ。

 私はこの米国発のキャッチフレーズにスッカリはまってしまった。「SからSへ」、これこそ日本が目指すべき次世代の目標だ。また同じ新聞の「世界の目」というコラムに、米国人弁護士ローレンス・レペタが寄稿している。

 シーファー駐日大使が最近東京で行った講演に触れ、米国防省予算が6000億ドルで史上最大になったこと、その支出の中に、横須賀に配備する原子力空母を新型にするのに1隻80億ドルから110億ドルかかると説明したそうだ。そしてそれは「日本は我々と歩調を合わせるべきだ」という単純なメッセージだという。

 おいおい、誰がそんなことを頼んだ。同弁護士も、原子力空母自身を敵に魅力的な軍事目標であり、横須賀など人口密集地のそばに置く「狂気」とまで言っている。北朝鮮?、中国?そんな近い所には航続距離の長い原子力空母などいらない。中曽根さんだって日本を「不沈空母」だと言っていたではないか。

 もっと遠くのどこかへ行くための空母だ。なぜ横須賀がいいのか。それは補給物資が豊富、補修・整備や兵隊の休養にいい、そうではないでしょう。ポーランドではミサイル防衛基地を設けるといったら、高額な防衛助成金をふっかけられた。日本なら基地維持費を持ってくれるし「思いやり予算」までつく。

 基地をアメリカに置くより、日本の方が安上がりだってことは知ってますよ。シーファー大使は前にも「大陸からアメリカに飛んでいくミサイルを日本は撃墜しないのか」と政府を恫喝した。びびった安倍前首相が、柳井俊二元駐米大使やアメリカ従属主義の評論家・岡崎久彦などを集めて検討させたのもつい一年前のことだ。

 その史上稀なるゆすり大使も今年いっぱいでゴーホームということになる。次は是非、日本を真に愛する人、「SからSへ」の人に来てもらいたい。

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