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2008年6月12日 (木)

政局の秋

 5日前、「福田首相を支持する」という題の記事を書いた。その福田首相に、昨日参議院で問責決議案が上程され、野党の賛成で可決成立した。ここまで内閣支持率が落ち込んでいる福田首相を支持するのには、ちょっとした勇気がいる。

 しかし問責決議案が成立しても、何の緊張感もない。昨日の朝刊に3時から「党首討論」とあったのでビデオの予約を入れておいたが、肩すかしを食らってしまった。国会は今日から与党と共産党だけになり、衆院では首相信任決議案が上程される。首相問責決議可決が戦後初のできごとなら、これほどの茶番劇国会も前代未聞だ。

新聞各紙の社説は、読売の御用紙ぶりは当然として、想像以上に民主の対処を非難している。 断っておくが、私は、福田首相支持とは言ったが、自民党支持ではない。真の保守政治家というのは、場当たり的なパフォーマンスに走らず、多くの意見を斟酌し、最善の道筋をつけようとする人だと思う。もうひとつ付け加えると、民主主義とは、手間ひまがかかり、しかもいつでも最善の結果を生むとは限らない。理想を高くかかげ、決断が早く、直ちに実行に移す方が効率がいいが、独裁政治よりはるかにいいのだ。

 そんな姿を福田総理に重ねたわけではないが、小泉・安倍政治の軌道修正をわずかながらも積み上げてきていることは確かだ。当面、解散総選挙はないだろうが、年内、または来年度前半には必ずやってくる。その時の選択は、これまでのように、自・公か民主中心の野党かという二者択一の図式になるとは限らない。

 政界再編必至とみれば各党(新党ができるかも知れない)は、まず自党の勢力拡張を第1に考えるはずだ。もし、1党で過半数をとれなかった場合は連立政権となる(可能性はかなり高い)。まず、注目すべきは選挙公約である。争点として考えられるのは財政再建と税制改革だろう。

 しかし、外交・安全保障と同様にこれを明快に打ち出すことにより、自民・民主双方とも内部矛盾を顕在化させるおそれがある。逆に争点がぼやけたものであれば、福田・小沢(9月の代表選で再選された場合)大連立が息を吹き返すことも考えなければならない。

 そうなった場合、自民・民主内の反対不満分子が造反して野党第1党に向けた新党結成に向かうかも知れないが、勝ち馬に乗りたい組が多数を占め、かなり厳しいことになるだろう。右翼系雑誌が期待するような小泉効果や、新自由主義、上げ潮派の復権は、秋葉原の無差別殺人が、なんとなく小泉改革・規制緩和の犠牲、といった印象でとらえられる風潮がある限り不発に終わる。

 繰り返すようだが、アメリカで仮に民主党のオバマ氏が大統領になり、国際情勢の変化に対応して、存在感のあるような外交ができる首相候補はそう多くはない。福田首相にその手腕があるかどうかは、まさに洞爺湖サミットがその試金石となるはずだ。

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