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2008年6月 7日 (土)

福田首相を支持する

 本ブログは開設以来自民党政権に反対し続けてきた。小泉政権下で安全保障はアメリカの属国化が進み、靖国参拝で周辺国との関係を決定的に悪化させた。安倍政権は憲法改正の準備を公言し、集団的自衛権の解釈変更、閣僚人事の蹉跌などがあって自滅の道をたどった。

 昨年9月に成立した福田内閣は、参院の与野党逆転で規定方針である法案通過に手間取り、衆院の再可決を繰り返さざるを得なかった。これも党内の強硬意見を牽制しながら民主党との話し合い路線を主導し、やむを得ない措置であることの説明を繰り返した。

 野党は与党案にまさる具体案を示せないことで追求が徹底を欠き、国民に政権交代を訴えても打てば響くような共感は得られなかった。年金の事務処理の失態や後期高齢者健保制度など、前政権のしりぬぐいばかりのしかかってくることは国民も知っている。

 そして、マスコミに「顔が見えない」とか「なにをしたいのかわからない」「指導力がない」などと言われながら大きな決断をした。その一つは道路目的税の一般財源化をめざす閣議決定をしたことと、もう一つはクラスター爆弾禁止条約採択に同意する指示をしたことである。

 道路の方は党内はもとより閣内や地方首長にも強い反対があり、強引さを武器にした小泉首相にもできなかったことである。また、クラスター爆弾は中谷元防衛庁長官や石破防衛相、特に中国や北朝鮮の日本への敵前上陸をあり得ることと信じ込んで爆弾廃棄をこばむ制服組自衛官の抵抗を押し切って決断した。画期的と言っていい。

 そのほか、公務員制度改革や裁判結果の受け入れなど、首相独特の柔軟な政策誘導が目立たないながらも進んでいる。民主党は、近く参院に問責決議案を提出するというが、伊吹自民党幹事長のいうように党内結束を図るためという印象を否定しがたい。

 後期高齢者問題も、政府与党が制度上の欠陥を認め、改善案を用意しているのであれば、よりよい即効性のある代案がないかぎり認めるべきではないか。怒っているのは、「後期高齢者」という語感の悪さで、一定年齢で区切ること自体ではない。後期高齢者がそう言うのだからまちがいないだろう。

 これから、首相得意の分野といわれる外交、特に洞爺湖サミットを控えている。また、大統領選を控えて同盟国米国との外交の正念場がやってくる。誰が大統領になろうとも外交環境が激変することは確実だ。見渡したところ、小沢民主党代表を含め、外国首脳と無難に外交をこなしていけそうな首相候補がほかにあるだろうか。

 麻生とか小池などの安倍残党なら最悪である。民意を反映した選挙の洗礼を受けていないという事実はあるが、内外の情勢から見て今政治に混乱を招くのは日本の国益にならない。ここしばらくは福田首相を支えていくしかないのではないか。

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コメント

その程度の理由で真島節朗は、自民党政権の福田を支持するのですか。

投稿: ss | 2008年6月 7日 (土) 21時58分

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